農林水産省とシンガポール環境持続省、協力覚書を改定し、アグリ・フードテック追加

(シンガポール、日本)

シンガポール発

2026年11月05日

日本の農林水産省とシンガポール環境持続省は10月29日、農業と食品分野に関する協力覚書を改定し、新たな協力分野としてアグリ・フードテックを追加した。また、シンガポールで開催された国際会議・展示会「アジアパシフィック・アグリフード・イノベーション・サミット2026(開催期間:10月27~29日)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」で、両国の企業や公的研究機関などによる17件の覚書(MOU)の締結を発表した。

日本政府は7月に閣議決定した「日本成長戦略」で、フードテックを17の戦略分野の1つに位置付けている。藤木眞也農林水産副大臣はMOU発表式典で、「食料安全保障の強化と、持続可能で強靱(きょうじん)な食料システムの構築に向けて、シンガポールとの連携を一層深めたい」と述べた。シンガポールのジャニル・プトゥチェリー上級国務相(環境持続担当)は17件のMOUについて、「日本の技術力と農業の専門知識に、シンガポールが保有する研究・開発エコシステムや東南アジア市場とのコネクティビティーを組み合わせ、相互補完するものだ」と語った。

写真 日シンガポール間のMOU発表式典で、記念撮影に応じる藤木農林水産副大臣とシンガポールのプトゥチェリー上級国務相(ジェトロ撮影)

日シンガポール間のMOU発表式典で、記念撮影に応じる藤木農林水産副大臣とシンガポールのプトゥチェリー上級国務相(ジェトロ撮影)

17件のMOUは、陸上養殖やスマート農業、培養肉などの新規食品、栄養管理など幅広い分野に及ぶ(注)。

閉鎖循環式陸上養殖システム(RAS)を開発するARK(本社:神奈川県平塚市)は、シンガポール国立大学(NUS)のアグリフード・イノベーション・ベンチャーズ研究所(IAIV)と、ハタ類の種苗生産に関する共同研究、専門人材の育成などで協力する。また、同社は、シンガポールに本社を置く委託製造会社の技研サカタ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますと、東南アジアにおけるRASの共同研究と実証を進める計画だ。

さらに、カルビー(本社:東京都千代田区)はシンガポールのスタートアップ、アミリ(AMILI)と、腸内マイクロバイオーム検査、解析に基づく個別化栄養サービスの運営で協力する。東洋製罐グループホールディングス(GHD、本社:東京都品川区)は、細胞培養による魚脂肪の開発を行うシンガポール発スタートアップ、インパクファット(ImpacFat)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますと、製造技術の高度化と生産効率の改善などに取り組む。このほか、インテグリカルチャー(本店:東京都文京区)と住友理工(本社:愛知県名古屋市)は、シンガポールの細胞培養肉製造委託会社セル・アグリテック(Cell Agritech)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますと協力し、細胞性食品の製造体制の構築や事業化を目指す。

写真 17件の覚書を結んだ日本とシンガポールの企業、研究機関の代表(ジェトロ撮影)

17件の覚書を結んだ日本とシンガポールの企業、研究機関の代表(ジェトロ撮影)

(注)17件のMOUの締結企業・研究機関および協力内容については、日本農林水産省ウェブサイトの「日シンガポールAgri-FoodイノベーションMOU発表セレモニーにおける日星企業等によるMOU締結リスト一覧外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」参照。

(本田智津絵)

(シンガポール、日本)

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