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英国、2036年までに有機農地比率10%を目指す行動計画を公表
(英国)
ロンドン発
2026年11月05日
英国政府は10月14日、「イングランド有機農業行動計画(Organic Action Plan for England)
」を公表した。同計画は、有機農業の拡大を通じて国内農業の成長と環境目標の達成を両立することを目的としており、2036年までにイングランドの有機農地比率を現在の約3.4%から10%へ引き上げる目標を掲げた。
英国の有機食品市場は拡大を続けており、2025年の小売市場規模は39億ポンド(約8,229億円、1ポンド=約211円)に達した。一方で、イングランドの有機農地面積は約30万1,000ヘクタールにとどまり、近年ほぼ横ばいで推移している。このため、増加する需要の多くを輸入品が補っており、有機農産物の輸入依存が拡大している。政府はこうした需給ギャップを国内農業にとっての成長機会と位置付けている。
計画は、(1)有機生産の拡大、(2)国内供給と需要のマッチング強化、(3)需要拡大の3本柱で構成される。具体的には、有機農業への転換を検討する農家向けの情報提供や助言体制の整備、有機農家同士の知見共有、生産拡大が期待される園芸・酪農・畜産分野への重点支援を実施する。また、生産量や輸出入動向などのデータを収集・公表する「オーガニック オブザベートリー(Organic Observatory)」の設立を検討し、需給状況の把握とサプライチェーンの強化を図る。
需要面では、消費者向けの広報活動を強化するとともに、学校、病院、公共機関などでの有機食品利用拡大を推進する。政府は公共調達を有機市場拡大の重要な手段と位置付けており、国内供給体制の整備と合わせて需要創出を目指す。
英国政府は有機農業を単なる環境政策ではなく、輸入依存の低減や農業所得向上につながる産業政策として位置付けており、今後の施策実施と市場拡大の動向が注目される。
(大西勇佑)
(英国)
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