ジェトロ、南米最大級の水産展示会で日本産品をPR

(ブラジル、日本)

サンパウロ発

2026年11月04日

ブラジルのサンパウロ市で10月20~22日、南米最大級の水産関連展示会「シーフードショウ・ラテンアメリカ2026」(注1)が開催された。ジェトロはジャパンパビリオンを設置し、日本企業1社および現地輸入事業者4社とともに出展した。ブースでは、既に日本から輸入されているハマチ、マグロ、かつお節、ノリに加え、ブラジルへの輸入実績がないホタテ、イクラ、サバ、めんたいマヨなどを紹介したほか、日本産水産物や米、日本酒などの関連食品もPRした。

来場者には日本食レストラン関係者も多く、ジェトロのブースでは日本産ホタテや高品質なノリへの関心がうかがえた。ブラジルでは水産物の消費が拡大しており、サケやタラといった輸入品への需要も大きい(注2)。一方、ブラジルで流通する日本産水産物は依然としてハマチ、マグロ、かつお節など一部品目に限られる。背景には、ブラジル当局による施設認定や動物由来製品検査部(DIPOA)登録(注3)などの手続きが必要であることに加え、輸送費や関税の影響から価格競争力の確保が容易ではないことがある。

こうした中、3年連続で出展し、2025年よりブラジルへハマチを輸出している北海道資源貿易の坂本安弘社長は、「日本食市場の発展に伴い、ブラジルの日本産水産物の輸入は着実に増えている。例えばハマチは数量ベースで毎年50%以上の勢いで伸びている。今後は、日本食以外の一般市場(マスマーケット)へのアプローチも模索したい」と話した。

ジャパンパビリオン以外にも日本食関連企業が複数出展した。J-オイルミルズ(JOYL)は、大豆を原料としたカラフルなシート状の食品を紹介し、ノリの代替品として提案した。ブースを訪れた現地レストラン経営者は、「ブラジルでは黒色の食品に抵抗感を持つ消費者もいるが、カラフルなシートであれば受け入れられやすく、『Omakase』で提案できる料理の幅も広がる」と話した(注4)。

また、会場ではベトナムや中国の企業の出展も目立った。ベトナム企業はナマズの一種であるパンガシウスやエビ類、中国企業は海藻類やイカ、タコなどを紹介した。2年前と比べてアジア企業の存在感は高まっており、開会式にはチリ、ノルウェー、ベトナムの駐ブラジル大使も出席した。ブラジル市場を有望な輸出先と捉える各国の関心の高さがうかがえた。

写真 (左)ジェトロブースではサバ缶やノリのほか、ソースやふりかけなどの調味料も紹介、(右)ハマチを試食する現地バイヤー(ともにジェトロ撮影)

(左)ジェトロブースではサバ缶やノリのほか、ソースやふりかけなどの調味料も紹介、(右)ハマチを試食する現地バイヤー(ともにジェトロ撮影)

写真 会場内で行われたブラジルすしコンペティションの開会式の様子(ジェトロ撮影)

会場内で行われたブラジルすしコンペティションの開会式の様子(ジェトロ撮影)

(注1)ブラジルの見本市大手フランカルと水産専門メディアのシーフード・ブラジルが主催し、2022年に初開催。今回で5回目となる。9月30日付の農業メディア「ルラルテックTV」によると、展示面積は前回比43%拡大した。10月21日付の業界誌「フィード・アンド・フード」によると、開会式に出席したリベトラ・エジポ・アラウジョ・クルス水産養殖相は、2025年のブラジルの水産物輸出が14万600トン、4億7,250万ドルだったと述べ、米国の関税措置を踏まえた輸出先の多角化や、EU向け輸出の再開に向けた手続きにも言及した。

(注2)前出のルラルテックTVによると、ブラジルの1人当たり水産物消費量は2020年の約9キロから2025年には約12キロに増えた。一方、サケ、タラ、マグロなどを輸入に頼り、水産物の貿易収支は年間10億ドル前後の赤字となっている。

(注3)ブラジルへ輸出される水産物を含む動物由来製品は、ブラジル農務省(MAPA)の動物由来製品検査部(DIPOA)のシステム(PGA-SIGSIF)への登録が義務付けられている。詳細はジェトロ作成の「ブラジル向け水産物輸出ガイドブック―動物由来製品検査部(DIPOA)登録の手順―」(2024年3月)PDFファイル(4.7MB)を参照。

(注4)Omakase(おまかせ)とは、客が料理内容をシェフに委ねる高価格帯のコース形式。ブラジルでも高級すし店を中心に導入が進んでおり、差別化された食材や演出を提供しやすいことが特徴。

(堀池桃代)

(ブラジル、日本)

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