チリ銅委員会が報告書公表、銅鉱業で海水利用拡大、2026年にも内陸水利用を上回る見通し

(チリ)

サンティアゴ発

2026年10月07日

チリ銅委員会(COCHILCO)は10月1日、チリ銅鉱業における水消費に関する2025年版報告書を公表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。報告書によると、2025年の銅鉱業は海水利用と水の再循環が拡大し、内陸水への依存低下を進めた。

今回の調査は、大規模・中規模の銅鉱山52件を対象とし、チリ国内の銅純分生産量の100%をカバーする。水の供給源別にみると、回収・再循環水が毎秒58.17立方メートルと全体の72.5%を占め、引き続き最大の供給源となった。鉱山操業で使用される水の72.5%が工程内で回収・再利用された水で賄われており、再利用率は70%を超える水準で推移している。海水利用量は毎秒8.11立方メートル(構成比10.1%)で前年比4.6%増加した一方、内陸水取水量は毎秒13.94立方メートル(構成比17.4%)と同7.0%減少した。

海水利用量は2016年比で231%増加し、10年間で3倍超に拡大した。2025年には外部から供給される水全体に占める海水の割合が36.8%となり、2024年の34.1%から上昇した。チリの銅鉱業における海水利用の比重が高まっていることが確認された。

海水利用の拡大を支えているのは海水淡水化だ。2025年に利用された海水のうち70.4%に相当する毎秒5.71立方メートルが淡水化した海水だった。海水利用量の年間増加分の約80%は、この淡水化した海水によるものだった。

2025年中に銅鉱業向けの新たな海水淡水化プラントの稼働開始はなかった。それにもかかわらず海水利用量は増加しており、報告書では既存設備や近年導入された設備の利用拡大によるものとしている。

現地紙「ラ・テルセラ」(10月1日付)によると、COCHILCOのクラウディア・ロドリゲス暫定執行副総裁は、2026年には海水利用量が内陸水利用量を初めて上回るとの見通しを述べた。2026年には、海水利用量が毎秒約9.6立方メートル、内陸水利用量が毎秒約9.4立方メートルとなると予測している。

報告書はまた、海水利用拡大に伴う電力需要の増加についても言及している。海水の淡水化や海岸部から鉱山までの揚水には電力が必要であり、COCHILCOはこれらが鉱業部門の電力需要増加要因の1つだと指摘した。

(高橋英行)

(チリ)

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