AI半導体向け先端実装技術をテーマに「IMAPS 2026」が開催

(米国、日本)

ニューヨーク発

2026年10月09日

米国マサチューセッツ州ボストンで9月29日~10月1日、半導体実装・パッケージング分野の業界団体IMAPSが主催する年次イベント「IMAPS 2026外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」が開催された。会場には約100社の出展企業を含む世界各国・地域の半導体関連企業や研究機関が集まり、人工知能(AI)向け半導体の高性能化を支える先端実装技術や材料技術に関する研究成果を発表した。

日本からも、味の素やJX金属を始めとする材料、基板、実装装置、化学材料、半導体パッケージングなどの分野で事業を展開する企業や研究機関が参加した。会期中に行われた技術セッションでは、AI向け半導体の実装技術や熱対策、先端材料など幅広いテーマが取り上げられた。中でも、クアルコムのシニアバイスプレジデント、チャディ・チャダンバラム博士による基調講演では、AIの推論処理拡大に伴うメモリ帯域幅や消費電力、発熱といった課題への対応策として、DRAM直下に演算回路を配置する3次元実装技術「High-Bandwidth Compute(HBC)」が紹介され、高帯域幅化や省電力化への期待が示された。

写真 チャディ・チャダンバラム博士による講演の様子(ジェトロ撮影)

チャディ・チャダンバラム博士による講演の様子(ジェトロ撮影)

また、ノーステキサス大学は低温Cu-Cu直接接合技術(注1)を、大阪大学と奥野製薬工業はガラス基板上の高信頼性銅電極形成技術(注2)発表した。このほか、マクダーミッド・アルファ・エレクトロニクス・ソリューションズ(MacDermid Alpha Electronics Solutions)によるスルーホール充填(じゅうてん)技術(注3)、太陽インキ製造とジョージア工科大学による高熱伝導ソルダーレジスト(注4)、コーニングR&D(Corning R&D)による高アスペクト比TGV向けめっき技術(注5)なども紹介され、AI半導体を支える実装・材料技術への関心の高さがうかがえた。このほか、各セッションで、日本企業および日本人研究者による発表が多数行われ、同分野における日本の存在感を示した。

在ボストン日本総領事館は、「IMAPS 2026」に合わせ、半導体関係者を一堂に集めた「JP-US Semiconductor Reception」を開催した。レセプションでは、トーマス・パラシオスMITマイクロシステムズ技術研究所(MTL)所長兼防衛ナノテクノロジー研究所(ISN)所長が講演し、半導体産業が直面する技術開発や供給網上の課題を共有するとともに、9月に締結した東京科学大学とMITの覚書(MOU)にも触れ、日本の製造力と米国の研究開発力を生かした日米連携の重要性や、研究機関、企業、スタートアップを結ぶエコシステム構築の必要性を強調した。また、クリス・ミラー・タフツ大学教授〔「半導体戦争(英題"CHIP WAR"、2022)」著者〕が、今後の日米半導体協力のさらなる深化への期待を述べた。

写真 出席者の集合写真(在ボストン日本総領事館提供)

出席者の集合写真(在ボストン日本総領事館提供)

会場では産学官の関係者による活発な交流が行われ、先端半導体技術の開発と事業化を促進する上で、日米連携への期待の高さがうかがえた。

(注1)​銅の電極同士を比較的低温で直接接合し、高密度・低抵抗な半導体実装を実現する先進パッケージング技術。

(注2)​微細な銅電極を形成し、高性能実装を支える技術。

(注3)​基板内の微細な貫通孔に銅を均一に埋め込み、高密度配線や高信頼接続を実現する技術。

(注4)​放熱性に優れた絶縁材料により、半導体パッケージや基板の熱対策を強化する技術。

(注5)​ガラス貫通電極内への均一な銅充填を実現し、高密度実装を支える技術。

(堀米美帆、遠藤壮一郎)

(米国、日本)

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