ドミニオン・ダイナミクス、ウクライナ企業開発の無人地上車両をカナダで生産へ

(カナダ、ウクライナ)

調査部米州課

2026年10月15日

カナダの防衛技術企業ドミニオン・ダイナミクスは10月13日、ウクライナの同業テンコアが開発した無人地上車両(UGV)「テルミット(TerMIT)」をカナダで生産するため、両社が了解覚書(MOU)を締結したと発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。2027年の生産開始を目指す。両社は今後、正式契約の締結に向けた協議を続ける。

ドミニオン・ダイナミクスは2025年に首都オタワで設立され、自律制御、センシング、指揮統制システムを開発している。同社によれば、カナダ軍との連携を通じて極北地域で技術を展開した実績を持つ。北極圏向けの国産自律制御基盤を開発するなど、カナダ政府が重視する北極圏での監視・防衛活動強化に直結する技術を手掛けている。また、テンコアは、UGVの設計・開発、製造、ライフサイクル管理を行う防衛産業企業で、同社が開発したテルミットは、ウクライナ国防省の認証を受け、同国軍での運用が承認されている。

計画では、テンコアが技術移転を主導し、カナダ国内で製造する技術者を育成する。ドミニオン・ダイナミクスは、北極圏などの過酷な環境を想定して開発した自律制御基盤「オーラネット(AuraNet)」をテルミットに搭載する。両社は、ウクライナの前線でのオーラネットの活用と継続的な開発を進めるほか、カナダ軍やNATO加盟国への供給に向け、寒冷地仕様のテルミットの開発を目指す。ただし、具体的な生産台数や納入時期などは明らかにしていない。

今回のMOU締結は、9月10日のカナダ・ウクライナ首脳会談で打ち出した防衛産業協力を具体化する動きとなる。両首脳は同日、防衛産業を含む幅広い分野で協力を強化する「カナダ・ウクライナ100年間パートナーシップ宣言」外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますに署名した。同宣言では、実戦で実証されたウクライナの技術革新とカナダの産業技術力を組み合わせ、無人システムなどの共同生産、研究開発、技術移転などで協力する方針を示した。

会談後の記者会見でマーク・カーニー首相は、ドローン(注)がウクライナの防衛を支える中心的な役割を果たしてきたことを踏まえた国際的な安全保障情勢の変化から、カナダ国内で今後2年間に数百万機のドローンを生産できる能力の構築を目指す方針を示した。また、カナダ軍と沿岸警備隊が無人システムなどを迅速に調達できる「防衛用ドローン市場(DDIM)供給枠組み」の創設を発表し、初期契約として最大5,000万カナダ・ドル(約55億5,000万円、Cドル、1Cドル=約111円)相当を調達する方針を示した。

(注)本文中の「ドローン」は、無人航空機(UAV)に限らず、無人地上車両(UGV)などを含む無人システム全般を指す。

(木村勇翔)

(カナダ、ウクライナ)

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