米大手電力アメレン・ミズーリ、データセンターでの電力需要増加で発電計画を大幅に拡大
(米国)
シカゴ発
2026年10月05日
米国ミズーリ州を拠点に発電・送配電事業を展開する大手公益事業のアメレン・ミズーリは9月28日、データセンターでの電力需要増加を背景に、設備容量を大幅に拡大する「20カ年計画」を発表
した。
本計画では、天然ガス火力発電の大幅な拡大を柱としつつ、既存の低コスト電源である石炭、ガス、水力、原子力設備を活用しながら、再生可能エネルギー資源、蓄電設備、および原子力発電などの新規電源を追加する。
設備容量拡大の内容は次のとおり。
- 24時間稼働可能なコンバインドサイクル天然ガス発電(注1)を導入し、設備容量は2031年までに2,100メガワット(MW)、2035年までにさらに2,800MW、2042年までに1,400MWを追加。
- 従来型天然ガス発電を建設し、2029年までに1,900MW、2040年以降に2,400MWを追加。
- 2030年までに500MWの天然ガス燃料電池発電を追加。
- 2030年までに1,300MWと2045年までに2,300MWの太陽光発電を追加。
- 2030年までに2,400MWの蓄電池を導入。
- 2030年以降に1,500MWの風力発電を追加。
- 2040年までに1,200MWの新規原子力発電の導入〔大型先進炉と小型モジュール炉(SMR)の双方を検討〕
計画されている設備総容量は、蓄電池を除くと17.4ギガワット(GW)となる見込みで、現在保有する9.3GWの容量の約1.9倍に相当する計算となる。17.4GW全体の平均設備利用率を仮に50~60%として試算した場合、約700万~900万世帯分の年間電力需要に相当する規模の発電量が増加することとなる(注2)。
2026年以降、同社は2030年までに合計2.8GWの電力需要が見込まれる大口顧客と電力供給契約を締結しており、これは同社の2025年の計画に盛り込まれていた2032年までの見込み値1.5GWを大幅に上回る。同社のサービス提供エリア内には、建設の可能性のある大規模データセンターが40カ所あり、その中には同社と契約を締結済みのプロジェクトも複数含まれているという(「セントルイス・パブリックラジオ」ウェブ版9月30日)。
同社のエグゼクティブ・バイス・プレジデント兼最高成長責任者(CGO)および最高発電開発責任者(CGDO)のアジェイ・アローラ氏は、「今後20年間にわたり同社が予測する成長の大部分を、新規データセンターが占める」と述べた(「セントルイス・パブリックラジオ」ウェブ版9月30日)。米国では2026年8月時点で約1,000件超のデータセンター開発計画が予定されており、建設中案件を含めると1,400件超に達すると推計される。
(注1)天然ガスを燃料とするガスタービンと蒸気タービンを組み合わせることによって二重に発電を行う。発電効率が高く、クリーンで運用性に優れている。
(注2)ジェトロによる試算。
(星野香織)
(米国)
ビジネス短信 f1f9cf879e6e0718





閉じる