英政府、UK CBAMの温室効果ガス排出量デフォルト値を発表

(英国、EU)

ロンドン発

2026年10月30日

英国政府は10月16日、英国炭素国境調整メカニズム(UK CBAM)の温室効果ガス(GHG)排出量におけるデフォルト値を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。合同関税品目分類表(CN)のCNコードごとに原産国に関わらず一律で設定され、2027年1月1日から2028年12月31日まで適用される。2029年からは原産国別にCNコードごとのデフォルト値を設定する予定としている。

UK CBAMでは排出量の報告に当たり、実測値に代わって政府が定めたデフォルト値を用いることができる。UK CBAMの対象となる英国の輸入者は、デフォルト値の水準を考慮して、実測値を用いるかデフォルト値を用いるかを検討することとなる。なお、前駆体(最終的なCBAM対象製品の生産に用いられるCBAM対象製品)にデフォルト値を用い、最終的なCBAM対象製品に実測値を用いることは認められる。一方、前駆体に実測値を用い、最終的なCBAM対象製品にデフォルト値を用いることは認められない。

政府によると、UK CBAMのデフォルト値は、先行してCBAMを導入しているEUのデータに基づき、英国の輸入構成で加重平均することで算定されている。なお、英国がEUとの排出量取引制度(ETS)の連携を公約しており、連携が完了すればEU原産品はUK CBAMの対象外となることを踏まえ、算定に当たりEU原産品のデータは除外されている。また、デフォルト値の利用者を実測値の利用者よりも利することがないことを原則とし、肥料以外のセクター(アルミニウム、セメント、水素、鉄鋼)に10%の上乗せが適用されている。

税率試算値と実測値の算定ガイダンスも発表

政府は同日、UK CBAMにおける課税単価(CBAM Rate)の試算値を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。いずれも二酸化炭素(CO2)換算1トン当たりで、アルミニウム9.79ポンド(約2,066円、1ポンド=約211円)、セメント8.78ポンド、肥料1.45ポンド、鉄鋼9.69ポンド、水素9.24ポンドとした。これらの値について政府は、現在利用可能なデータを用いて2027年1月1日から適用される税額を算定し例示したに過ぎないが、一方で将来のCBAM税率の潜在的な規模を示す参考例となるとしている。実際に適用される税率は2026年末までに別途公表する。

政府は同日さらに、排出量の監視、検証、報告に関する技術ガイダンス外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを発表した。デフォルト値によらず実測値を用いる場合の手順について説明する文書で、UK CBAMの対象となる英国の輸入者や、英国外の対象製品の生産施設運営者などが利用者として想定されている。

(齊藤圭)

(英国、EU)

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