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ワルシャワ国際映画祭で日本映画「mentor」が世界初公開
(ポーランド、日本)
ワルシャワ発
2026年10月16日
ポーランドの首都ワルシャワで、第42回ワルシャワ国際映画祭が10月9日から18日まで開催されている。日本からは吉田恵輔監督の「mentor」が国際コンペティション部門に選出され、10月10日に上映された。吉田監督によると、同上映が作品の世界初公開(ワールドプレミア)となった。
同映画祭は1985年に創設されたポーランドを代表する国際映画祭で、世界各国の作品を紹介するとともに、映画監督と観客が直接交流する機会を設けている。今回は世界各国から長編132本、短編58本の計190作品が選出され、上映回数は330回に及ぶ。うち102作品が世界、国際または地域プレミアとなる。日本関連作品は「mentor」のほか、濱口竜介監督の「急に具合が悪くなる」、是枝裕和監督の「ルックバック」、深田晃司監督の「ナギダイアリー」が選出された。
「mentor」は10月16日の日本での一般公開に先立ち、10日と11日にワルシャワ市内中心部の映画館キノテカ(Kinoteka)で上映された。上映には吉田監督と製作会社スターサンズの長井龍プロデューサーが立ち会った。
ワルシャワの文化科学宮殿内にある映画館キノテカ(ジェトロ撮影)
11日の上映は満席となり、上映後は会場から大きな拍手が起こった。その後、吉田監督がステージに登壇し、質疑応答に応じた。
作品は、少年時代に火災を起こした2人と、妻子を失った被害者が15年後に再会する物語。過去の出来事を背負う人々の複雑な感情や人間関係を描きながら、随所にユーモアを織り込んでいる。
舞台で質疑応答する吉田恵輔監督(ジェトロ撮影)
上映中は観客から何度も笑いが起こった。質疑応答で吉田監督は、「反省や悲しみの表し方は人によって異なるにもかかわらず、人は他者にも自分と同じ態度を求めてしまう」と指摘した。また、「許しは加害者のためだけでなく、自分自身や周囲の人々が前に進むためにも必要ではないか」と語った。
上映中の観客の反応や上映後の大きな拍手、監督との質疑応答を通じて、作品に対するポーランドの観客の高い関心がうかがえた。日本映画が海外の観客と直接接点を持つ、国際的な作品発信と文化交流の機会となった。
映画祭期間中の10月12~16日には、映画業界関係者向けの「Warsaw Industry Days」も開催される。国際共同製作に向けた映画企画の発表や、海外配給などをテーマとした討論が行われ、映画製作者や配給会社などの国際的な交流の場となっている。
(余田知弘)
(ポーランド、日本)
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