ベネズエラ・ロドリゲス大統領代行がトランプ米大統領と会談
(ベネズエラ、米国)
カラカス発
2026年10月08日
ベネズエラのデルシー・ロドリゲス大統領代行は9月22日、国連総会出席のために米国ニューヨークを訪問し、ドナルド・トランプ米大統領との初の対面会談に臨んだほか、国際金融機関や各国首脳との会談を重ねた。一連の会談は、従来の反米的な主張を前面に出す外交から、対話と経済再建を重視する現実路線への移行を印象付けた。ベネズエラの国家元首による国連総会への対面出席は2018年以来となった。
ロドリゲス氏は、第81回国連総会に合わせたニューヨーク滞在中、米州開発銀行、世界銀行、IMF、国連の代表者らと会談した。また、トリニダード・トバゴ、オランダ、チリなどの首脳とも意見交換した。ベネズエラが、米国だけでなく、国際金融機関や政治的立場の異なる各国との関係再構築を同時に進めていることを示す外交日程となった。現地報道は、こうした動きを、ベネズエラが外交的孤立から脱却し、国際社会に復帰するための取り組みと位置付けている。
最も注目されたのは、ロドリゲス氏とトランプ氏との初の対面会談だった。会談は国連総会に合わせてトランプ氏が主催したレセプションの場で非公開で行われた。米国側からはマルコ・ルビオ国務長官、スコット・ベッセント財務長官、スージー・ワイルズ大統領首席補佐官、スティーブン・ミラー大統領次席補佐官らが参加した。両首脳は、エネルギー、鉱業、安全保障などの戦略分野における協力と2国間関係の強化について協議した。ロドリゲス氏は会談を「歴史的」と位置付け、両国の新しい関係を対話によって築く方針を表明した。
ロドリゲス氏は国連総会の演説でも、トランプ政権がベネズエラとの外交関係と協力の再開に意欲を示していることに謝意を表明した。両国間の相違を対話によって解決し、エネルギー、安全保障、国際犯罪対策、経済協力などの分野で関係を進展させる考えを示した。また、国内では野党勢力との政治対話を開始したと説明し、全ての政治勢力が参加できる選挙の実施と、「秩序ある、制度的かつ検証可能な」民主的移行を約束した。ただし、選挙の具体的な時期は明らかにしなかった。
演説では、従来のベネズエラ外交を特徴付けてきた米国への強い批判は抑えられた。さらに、ロドリゲス氏は前任者のニコラス・マドゥーロ氏や故ウゴ・チャベス氏に言及しなかった。現地紙「エル・ナシオナル」は、演説について、革命的な外交言説から距離を置き、自らの指導者像を国際社会に示すものだったと分析した。「エル・パイス」紙も、民主主義、選挙、法的安定性、国民和解を前面に出した点を、長年の対外強硬姿勢との明確な違いと評価している。
一方、新たな外交路線がどこまで具体的な成果につながるかは、なお不透明だ。ロイター通信は、今回の訪問によりロドリゲス氏の国際的な存在感は高まったものの、復興支援や投資、債務問題などに関する具体的な合意は発表されず、選挙日程も示されなかったと指摘した。現時点では、今回の国連総会出席は外交転換の「完成」ではなく、米国や国際金融機関との関係再構築を本格化させる出発点とみるのが妥当で、今後は、選挙に向けた制度改革の進展や、エネルギー・鉱業分野での投資合意、IMFなど国際金融機関との協力の具体化が焦点となるとしている
(マガリ・ヨネクラ)
(ベネズエラ、米国)
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