ベトナム、医療機器や医薬品の価格・流通管理を強化へ

(ベトナム)

ホーチミン発

2026年10月14日

ベトナム保健省のブー・マン・ハ副大臣は、10月3日の政府定例記者会見で、2026年7月に発覚した、医療投資会社による輸入医療機器などの価格つり上げを巡る事件に関連して、今後、医療機器について製品のライフサイクル全体を通じた管理に移行するとともに、医薬品の集中調達や価格交渉を拡大する方針を示した(「VNECONOMY」10月3日)。

保健省はこれに先立つ10月1日の記者会見で、医療機器のサプライチェーン管理を強化するため、関連法案の改正作業を進めていることを明らかにしていた。現行の法令下では、輸入医療機器の価格管理が生産、輸入、流通、販売の各段階で個別に行われており、不正の発見には、複数の機関での検証が必要だった。同省はトレーサビリティ向上と価格管理の強化のため、機器のライフサイクルとサプライチェーン全体を管理できるデータベースを構築し、関係機関で共有する方針だ。また、医療機器市場の透明化のため、医療機器の価格をオンライン上のデータベースで公表することも検討している。

市場拡大が続くも、価格管理への対応が課題に

ベトナムのヘルスケア市場は拡大している。英国系調査会社BMIによると、ベトナム医療機器市場は2024年から2029年にかけて年平均8.2%で成長し、2024年の19億ドルから2029年には28億ドルの市場規模に達すると予測されている。また、医薬品市場についても、2024年の64億ドルから2029年には94億ドルまで拡大すると見込む。また、ベトナム社会保険庁によると、健康保険加入率は2013年の68.8%から2025年には95.16%へ上昇した。2030年までに100%とする目標を掲げる。こうした医療アクセスの向上を背景に、医療サービスや医療機器に対する需要は今後も拡大するとみられる。

今後、制度の具体化に伴い、医療機器や医薬品を取り扱う事業者には、製造や輸入から販売に至るまでの価格形成過程を整理することが重要になるとみられる。特に輸入機器は、保守費や部品交換費に加え、為替や輸送費の変動、仕入れ時期や納入時期などによって価格が変動するため、今後の価格管理制度の動向が注目される。

(丹野広大、ティエン・グエン)

(ベトナム)

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