広西自貿区の説明会開催、ASEANとの経済連携深化を提唱

(中国)

広州発

2026年10月01日

中国の広西チワン族自治区政府は9月18日、南寧市で「2026年中国(広西)自由貿易試験区(自貿区)国際協力説明会」を開催した。説明会は、自貿区とASEAN各国の経済特区・産業園区との連携強化や、中国・ASEAN自由貿易区3.0版の構築促進を目的に開催された。

説明会には、広西チワン族自治区の盧新寧副主席、ボアオ(博鰲)・アジアフォーラムの張軍秘書長、カンボジア開発評議会(CDC)の宋世博副秘書長、マレーシア駐南寧総領事館の雷文総領事らが出席した。ASEAN諸国に加え、米国、ドイツ、英国、フランス、日本など30カ国・地域の企業、国際機関、業界団体など75組織から300人以上が参加した。

盧副主席は、中国・ASEAN協力の深化に向け、9月16日に開通した平陸運河を活用した陸海連動型物流ルートの構築、越境産業園区間の協力強化、人工知能(AI)分野での連携拡大を提唱した。平陸運河を中国とASEANを結ぶ新たな物流・経済ルートとして位置付け、物流、貿易、産業の発展を牽引する重要インフラとの認識を示した。また、中国・マレーシア「両国双園」(注)などの実績を踏まえ、制度の連携や基準の相互承認を通じ、産業チェーンを強化する方針を説明した。さらに、広西を中国・ASEAN間のAI協力拠点と位置付け、「北京市、上海市、広州市で研究開発し、広西で統合、ASEANで応用する」構想を示し、AIやデジタル経済分野での協力拡大を呼びかけた。

あわせて実施された視察ミッションでは、南寧市、柳州市、欽州市を訪問した。欽州市では、中国・マレーシア欽州産業園区、現代グリーン化学工業、港湾物流施設、平陸運河関連施設を視察した。

欽州港では、港湾と鉄道の情報システムや作業区域の一体化について説明を受けた。担当者によると、港湾と鉄道の情報システムをリアルタイムで接続し、従来10~30分要したデータ連携を1分以内に短縮した。また、作業区域を一体化することで、1日当たりの荷役量は685車両から1,119車両に増加し、荷役効率は前年同期比63%向上した。税関監督区域の一本化や手続きのオンライン化も進めており、船舶、コンテナ、ばら積み貨物などに関する手続きのオンライン化率は95%を超え、平均手続き時間を20時間短縮したという。担当者の説明によると、海鉄連運(海上輸送と鉄道輸送を組み合わせた複合輸送)の取扱量は増加傾向にあり、西部陸海新通路の中核物流拠点としての機能強化が進展している。

また、平陸運河の青年船閘〔船舶を通航させるための閘門(こうもん)施設〕も視察した。平陸運河には馬道、企石、青年の3カ所に、それぞれ2列の段階式船閘が整備されている。担当者によると、2026年12月31日まで、これらの船閘を通航する商用船舶の通航料は免除される。運河の開通により、中国西南部とASEANを結ぶ物流の効率化が期待されている。

写真 平陸運河青年船閘の様子(ジェトロ撮影)

平陸運河青年船閘の様子(ジェトロ撮影)

(注)中国・マレーシア「両国双園」は、中国・マレーシア欽州産業園とマレーシア・中国クアンタン産業園を指す。2012年に建設が始まった両国政府間の協力プロジェクトで、「中国・マレーシア協力の旗艦プロジェクト」「中国・ASEAN協力モデル区」に位置付けられている。

(梁梓園)

(中国)

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