米年末商戦、売上高は4.2%増と堅調維持の見通しも、K字型の消費傾向が鮮明に

(米国)

ニューヨーク発

2026年10月21日

全米小売業協会(NRF)は10月15日、2026年の年末商戦期間(11月1日~12月31日、注)の小売売上高が前年同期比4.2%増の1兆130億ドルに達するとの見通しを発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。伸び率は前年の3.1%増を上回る水準だが、消費動向は所得階層によって異なるとみている。

今回の発表について、NRFのマシュー・シェイ会長兼最高経営責任者(CEO)は同日の記者との電話会見で、2026年を通じて米国の経済を牽引し続けてきた、個人消費の底堅さに深い感銘を受けていると言及した。さらに、各家庭が持続的なインフレや景気の先行きに対する不透明感に直面している現実は認めつつも、これまでの堅調な支出の勢いは年末商戦期間にも引き継がれるとの期待を示した。

NRFのチーフエコノミスト兼リサーチ担当エグゼクティブ・ディレクターのマーク・マシューズ氏は同会見で、予測される4.2%の売上高増加の要因について、約半分は実質的な消費拡大(購買量の増加)によるものであり、残りの半分はインフレや物価高騰が押し上げるかたちになると分析した。同氏は、「消費者が経済の明るい材料であり続けているため、強い支出の勢いを持って年末商戦期間を迎えている。同時に、インフレやガソリン価格の上昇、家計支出への圧迫は、所得階層によって消費者に異なる影響を与えるだろう」との見解を示している。

また、NRFは足元の動向において、低所得層が支出を減らす一方で中高所得層が支出を増やす、いわゆる「K字型」の消費パターンが顕著になっていることを認めた。米国の消費は、株価上昇などによる資産効果(株価や不動産価格などの上昇により消費が拡大する効果)を背景とした高所得層が全体の消費額を大きく押し上げる一方、低所得層では食品やガソリンなどの生活必需品への出費に追われ、ギフト向けなどの裁量的支出を抑制せざるを得ない、所得による消費の二極化の様相が一段と鮮明になっている。

小売り各社の対応をみると、NRFは同期間の小売業者による臨時雇用者数について、2025年の約35万6,000人とほぼ同水準となる32万5,000~37万5,000人の範囲にとどまると予測した。ガソリン価格の上昇や持続的なインフレ、高金利、さらには消費者債務の拡大などを背景に、小売り各社は前年同様に警戒の姿勢を崩しておらず、季節雇用を増やすことに対しては慎重に行っている。

(注)NRFは、11月1日から12月31日までを年末商戦期間と定義している。特に、毎年11月第4木曜日の感謝祭(Thanksgiving Day)からクリスマスまでの前後の週末には長めの休暇を取る人も多いことから、「ホリデーシーズン」とも呼ばれる。感謝祭翌日には日本でも知られるようになったブラックフライデーセール(値下げによる売り上げ増で企業が黒字になるというのが由来)が各小売店で展開される。

(樫葉さくら)

(米国)

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