電力事業に民間資本を導入する法改正を検討、2026年内に1,300MWの発電能力追加も
(ベネズエラ)
カラカス発
2026年10月15日
ベネズエラのデルシー・ロドリゲス大統領代行は10月8日、首都カラカスで開催されたベネズエラ商工会議所連盟(Fedecámaras)の第82回年次総会で、国家電力システムへの民間企業の参入を可能にする法改正を2026年内に実施すると表明した。発電に加え、送電、配電への民間参加も認める方針で、今後数週間以内に改正案を提示するとした(「エル・エスティムロ」紙10月8日付)。具体的な参入条件や事業方式は明らかにしていない。
ロドリゲス大統領代行はまた、2026年末までに火力発電を中心に1,300メガワット(MW)の発電能力を追加し、計画停電を削減すると説明した。中国との協力により、中部カラボボ州のプランタ・セントロ発電所6号機(600MW)を国家電力システムに接続する計画も明らかにした。中期的には、外国企業との協定を通じて計7,400MWを追加するとしている(「ノティシアス・ベネビシオン」紙10月8日付、「エル・エスティムロ」紙同日付)。
これに先立ち、政府は10月5~6日、西部スリア州の火力発電施設「テルモスリア」で発電設備2基を国家電力システムに接続し、計300MWの発電能力を追加した。TZ5号機とTZ7号機をそれぞれ150MWずつ稼働させ、西部地域の供給改善を図る(「ディアリオ・ベア」紙10月6日付)。
もっとも、各地の停電は依然として企業活動を圧迫している。ファルコン州コロでは、商工業者の80%が停電に伴う販売減少を訴え、66%が設備などの資産損失を報告した(「フィナンサス・ディヒタル」紙9月29日付)。スクレ州では、長時間の停電により商工業者の週当たり労働時間が40%減少し、食品加工や漁業、コールドチェーンへの影響が特に大きい(「バンカ・イ・ネゴシオス」紙9月30日付)。
電力供給の不安定さは、投資誘致上の制約にもなっている。9月末にカラカスで開かれたベネズエラ国際石油・ガスサミットでは、石油・エネルギー企業の幹部が、電力不足を事業拡大の主要な障害の1つに挙げた。国内の電力不足は1,500MW超、設備容量3万2,800MWのうち稼働可能なのは約40%とされ、送配電網を含む復旧・近代化には約50億ドルが必要との試算もある(「エル・コオペランテ」紙9月30日付)。
今回の法改正方針は、国家主体で運営されてきた電力部門への民間資本・技術の導入に道を開く可能性がある。一方、参入条件や料金制度などの詳細は示されておらず、法改正の具体的内容と実施時期が注目される。
(マガリ・ヨネクラ、中畑貴雄)
(ベネズエラ)
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