秋季合同経済予測、春季予測から上方修正、今後は公共支出の拡大や内需の回復が支えに

(ドイツ)

ベルリン発

2026年10月15日

ドイツの主要経済研究所(注)は9月24日に2026年秋季合同経済予測を公表した(添付資料表参照)。2026年の実質GDP成長率を1.3%、2027年を1.1%と予測し春季予測からそれぞれ0.7ポイント、0.2ポイント上方修正した(プレスリリースPDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)、ドイツ語)。ドイツ経済は2025年末から回復局面に入り、経済規模は2022年にガス価格が高騰した際の水準を上回った。ただし今回の回復は過去の景気回復局面と比べて力強さを欠くと分析した。

2026年上半期は輸出と製造業の付加価値が予想以上に増加、政府消費も大きく伸びた。これを受け2026年の輸出見通しを春季予測の前年比マイナス0.1%から3.7%へ引き上げた。製造業では世界的な人工知能(AI)ブームが追い風となったほか、中東湾岸地域の供給制約により競合企業が生産障害に直面したことでドイツ企業の競争環境が改善した。ただし第3四半期は製造業の付加価値はやや減少する見込みだ。7月半ば以降の河川の低水位の影響で、内陸水運に支障が生じていることが重荷となる。一方、企業投資と民間消費は弱く、エネルギー価格上昇も景気を抑制した。

今後は、防衛・インフラ向け公共支出の拡大や内需の回復が景気を支えるとみる。一方製造業では高いエネルギー価格や官僚的な手続きに伴うコスト、専門人材不足、中国企業からの強い競争圧力などが重荷となっている。さらに、労働力人口の減少による潜在成長率の低下も成長の制約要因として指摘した。2027年は家計の実質所得の改善を背景に民間消費の緩やかな回復を見込むものの、2028年には財政政策による景気刺激効果が全体として弱まるとみており、成長率は0.4%と予測した。また、政府の財政赤字はGDP比で2026年の4.1%から2028年には4.7%へ拡大すると予測しており、財政健全化の必要性が高まっているとした。

ハレ経済研究所(IWH)のオリバー・ホルテメラー氏は、「景気は想定以上に堅調に推移した。ただし今回の回復の基盤は脆弱(ぜいじゃく)であり、高いエネルギー価格や構造問題が依然として重荷となっている」と語った。

(注)合同予測は連邦経済・エネルギー省の委託を受け、国内の主要経済研究所のドイツ経済研究所(DIW)、ifo経済研究所、キール世界経済研究所(IfW)、ハレ経済研究所(IWH)、ライプニッツ経済研究所(RWI)が年に2回共同で作成している。

(打越花子)

(ドイツ)

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