ジェトロ、アリゾナ州に半導体・データセンター産業エコシステムの視察ミッション派遣

(米国、日本)

ロサンゼルス発

2026年10月28日

ジェトロは10月15~16日、米国アリゾナ州フェニックスに半導体・データセンター分野のビジネス環境視察ミッションを派遣した。半導体・データセンター産業に携わる日本企業や公的機関など29社・団体から39人が参加した。ミッションでは、同州のデータセンター、州立大学の工業技術研究施設、職業訓練を実施するコミュニティカレッジ、半導体関連の日系企業などを訪問し、産業、研究開発、人材育成が一体となった現地のエコシステムを視察した。

ミッション初日は、アリゾナ商業公社(ACA)とフェニックス大都市圏経済協議会(GPEC)から、同州のビジネス・投資環境について説明を受けた。続いて、同州の半導体関連コンサルタント、AZサプライチェーン・ソリューションズの亀和田忠司氏から、2026年度の米国の半導体関連売上高は225兆円が見込まれること、7月時点の売上高がすでに前年実績の95%に達していることなど、好調な米国の半導体ビジネスについて説明があった。

アムコア、インテル、東京エレクトロンなど、アリゾナ州に製造拠点を構える大手半導体関連企業によるパネルディスカッションでは、同州の強みとして、(1)成熟したエコシステム、(2)フロントエンドからバックエンド製造までを担う主要なプレーヤーとの近接性、(3)優秀な人材の豊富さが挙げられた。最後に、同州12市の代表者がそれぞれの投資環境を紹介した。その後、在ロサンゼルス総領事館主催のレセプションが開かれ、ミッション参加者は州政府関係者や現地のビジネス関係者とネットワーキングを行った。

ミッション2日目は、アリゾナ日本企業懇話会(JBAA)とアリゾナ日本商工会議所(JCCIAZ)から、駐在員の生活環境や日系企業の活動支援について説明を受けた。JCCIAZは、半導体産業向け国際展示会「セミコンウェスト」でのフォーラム開催などを通じて、日本の半導体関連企業のビジネス展開を積極的に支援していると説明した。​JBAAは、家族帯同の駐在員にとって重要な教育インフラである日本語補習校について、2026年度から文部科学省による校長派遣が始まり、教育環境のさらなる充実が図られていると紹介した。

2日目の午後は、メサ市で拡張工事が進み、2027年夏ごろに完成を見込むメタのデータセンターキャンパスを視察した。データセンターの運用上の課題となるサーバーの冷却処理水については、使用後に不純物を除去した上で、下水処理システムに戻しているという。稼働に必要な電力については、送電設備や発電所のアップグレードを実施するなど、地域社会にインフラ面の負担が生じないよう取り組んでいると説明した。

写真 メタのデータセンターキャンパス(ジェトロ撮影)

メタのデータセンターキャンパス(ジェトロ撮影)

アリゾナ州立大学(ASU)ポリテクニックキャンパス​とチャンドラー・ギルバート・コミュニティカレッジの視察では、アリゾナ州の半導体産業を支える人材育成に関して、産学官連携による実践的な取り組みが示された。最後に、住友化学の米国子会社、住友化学アドバンストテクノロジーズにおいて、化合物半導体向けウエハーをはじめとする半導体材料事業の概要について説明を受けたほか、クリーンルームなどの製造施設を見学した。

写真 ASU視察の様子(ジェトロ撮影)

ASU視察の様子(ジェトロ撮影)

ミッションに参加した企業からは、「個社ではアプローチが難しい企業と接点を持つことができた」「パネリストとして参加した大手企業に自社商品を紹介できた」などの声が聞かれた。

(田島夏海、安東利華)

(米国、日本)

ビジネス短信 d07753b4d78aa1dc