シンガポール、先端半導体の研究・製造活動誘致へ、国家ブランド「SGセミコンダクター」発表

(シンガポール)

シンガポール発

2026年10月02日

シンガポールのタン・シーレン貿易産業相(エネルギー・産業担当)は9月25日、先端半導体の研究・開発(R&D)や製造活動、人材の誘致に向け、半導体分野の統一ブランド「SGセミコンダクター(SG Semiconductor)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」の策定を発表した。シンガポール半導体産業協会(SSIA)と科学技術研究庁(Aスター)が共同開催したフォーラム「共創による変革へ(Innovate Together)」での演説で明らかにした。

統一ブランドを立ち上げたのは、貿易産業省管轄下のAスターと経済開発庁(EDB)。統一ブランドの設置で、シンガポールの半導体産業や研究・開発力に対する企業や人材からの国際認知度を高めるのが狙いだ。同国は世界の半導体生産の約10%を占め、半導体製造装置の約20%を生産する。また、世界のファブレス半導体企業上位10社のうち8社が、同国にIC設計やR&Dチームを配置している。

写真 SSIAとAスター共同主催のフォーラムで半導体分野の統一ブランド「SGセミコンダクター」を発表し、記念撮影するタン貿易産業相(左から5人目)(ジェトロ撮影)

SSIAとAスター共同主催のフォーラムで半導体分野の統一ブランド「SGセミコンダクター」を発表し、記念撮影するタン貿易産業相(左から5人目)(ジェトロ撮影)

Aスターのヨー・イーチア副長官(イノベーション・企業担当)は同日、世界の大手半導体メーカーとロジック回路の微細化競争を目指しているわけではないと説明した。その上で、「われわれの強みはシステム統合と、研究を商業化するためのR&D(トランスレーショナルR&D)」にあると述べた。

統一ブランド「SGセミコンダクター」の最初の取り組みとして、Aスター管轄下の研究機関と民間企業との官民連携を促進する。先端パッケージング、シリコンフォトニクス(注1)、パワーエレクトロニクス、高周波窒化ガリウム(RF-GaN、注2)、圧電MEMS(ピエゾMEMS、注3)、フラットオプティクス(注4)、集積回路設計の7部門を重点部門に設定した。

工業団地・施設の開発運営政府機関JTCのジャクリーン・ポー長官は前日の24日、SSIA主催フォーラム(SSIAサミット2026)で、「規模だけでなく信頼性、精度、安定性、スピードが重要となる半導体バリューチェーンにおいて不可欠な拠点となることを目指している」と述べた。ポー長官は、シンガポールの政治的中立性が多様な企業との協業を可能にしており、知的財産(IP)保護制度の整備が、多国籍企業によるIPやR&D機能の配置を後押ししていると指摘した。

(注1)半導体基板に微細な光回路を形成することで、光信号の生成、伝送、制御を行う技術。

(注2)ガリウムと窒素を組み合わせた化合物半導体により、従来の半導体と比べて高電圧に耐えられる。

(注3)圧電材料の性質を利用した微小電気機械システム(MEMS)の技術。従来のMEMSと比べ、省電力、小型化などの特徴がある。

(注4)薄く平らな基板上にナノレベルの微細構造を配置する次世代の光学技術。

(本田智津絵)

(シンガポール)

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