クランタン州、日本企業向け投資機会を紹介、鉄道による物流改善に期待、注目される鉱業
(マレーシア)
クアラルンプール発
2026年10月02日
マレーシア日本人商工会議所(JACTIM)は8月28日、クランタン州投資セミナーを開催した。セミナーでは、クランタン州政府と投資促進機関インベスト・クランタンが、日本企業向けに投資機会を紹介した。クランタン州はマレーシア北東部に位置し、タイ南部と国境を接する人口約191万人の州で、東海岸3州(クランタン、トレンガヌ、パハン)の中で最大の人口を擁する。
開会あいさつで、クランタン州政府事務局長のトゥンク・モハメド・ファジハルディン・アルハジ・ビン・トゥンク・ファイサル氏は、今後完成予定のマレー半島を縦横断する東海岸鉄道(ECRL)による物流環境の改善への期待や、豊富な労働力、低コストな事業環境を強みとして、先端製造業、電気・電子(E&E)、グリーンテクノロジー、物流、食品加工などへの投資を呼びかけた。
クランタン州経済企画局(UPEN)によると、同州では人口の約65%が生産年齢人口で、豊富な労働力を有する。また、インフレ率は0.3%と国内最低水準で、生活費指数も全国平均を下回る。ファジハルディン事務局長によれば、ECRLは2026年12月に開通予定で、州都コタバルとクアラルンプール間の移動時間は、現在の約7時間から約4時間に短縮される見込み。物流や人の往来の活性化が期待される。
インベスト・クランタンは、主な投資候補地先として、州南東部パシル・プテの「トック・バリ工業団地(TBIP)」と北西部パシル・マスの「パシル・マス・ハラルパーク(PMHP)」を紹介した(添付資料図参照)。TBIPでは建設資材、食用油、金属加工、付加価値のある組み立てなどの製造業、PMHPはハラール工業団地として物流・倉庫、食品・飲料、医薬品・健康補助食品、ハラール関連消費財分野の誘致をそれぞれ進めている。
レアアースや金などの資源が賦存
同州では鉱業が新たな成長分野として、注目されている。州土地鉱山局によると、金、レアアース(希土類)、石灰石、鉄鉱石、マンガンなどの鉱物資源が賦存している。特にマレーシア中央ゴールドベルト(注)に位置するタナ・メラ郡のソコール地区は主要金鉱区で、2025年の生産量は約6万6,400キログラムに上る。
レアアースでは、グア・ムサン郡が有望な開発候補地として紹介された。2025年12月にはケランタン州政府系の鉱物資源開発会社ケルストーンとエネルギー石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)が、州内のレアアース資源ポテンシャル評価に関する協力覚書を締結した。州政府は、日本の技術、投資、市場アクセスを組み合わせ、日本が安定的かつ多様な重要鉱物のサプライチェーン構築を進められるとし、日本企業との連携拡大に期待を示した。
(注)マレーシア中央ゴールドベルトは、マレー半島中央部を南北に延びる主要な金鉱化帯で、パハン州、トレンガヌ州、クランタン州などにまたがる。マレーシア国内の主要金鉱区の多くが同鉱化帯に分布している。
(ニサ・モハマド)
(マレーシア)
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