ビジネス短信は70カ所を超えるジェトロ海外事務所の駐在員から送られる国際ビジネス関連ニュースです。
過去記事一覧
ジェトロ・メンバーズ向け
その他コンテンツ
国・地域別記事一覧
テーマ別記事一覧
産業別記事一覧
中国初のAI制作劇場映画「三星堆:未来往事」が公開
(中国)
上海発
2026年10月29日
中国の映画会社、博納影業が制作した人工知能(AI)映画「三星堆:未来往事」が10月23日、中国で公開された。博納影業の発表によると、AI技術を利用して制作され、中国国家電影局の公開許可を取得した中国初の劇場映画となる。同社によると、未来の人類がAIへの過度な依存による危機に直面する中、その解決の鍵が中国・四川省の古代遺跡「三星堆」の青銅器に刻まれた謎の符号に隠されていたことを描くSF映画であるとしている。なお、三星堆は四川省広漢市にある古蜀文明を代表する大規模遺跡で、巨大な青銅仮面や黄金製品などの出土品で知られる。
登場人物は全てオリジナルのデジタルキャラクターで、実在する俳優のデジタル複製は使用していない。
同社は映画制作に先立ち、2024年7月に、全13話のAI制作SFショートドラマ「三星堆:未来啓示録」を短編動画アプリ「抖音(Douyin)」で配信した。その後、インターネット上での再生回数が2億回を超えたことを受け、長編AI映画の制作に着手した(「経済観察報」10月24日)。
同作品は、オンライン映画制作プラットフォーム「博卡電影雲片場」を利用してAI映像を制作した。中国の動画生成モデル企業、北京生数科技が自主開発した動画生成基盤モデル「Vidu」が主要な技術支援を担った。制作工程では、AIが映像生成などの実作業を担い、企画の立案や制作上の判断は、人間の制作チームが映画制作の工程に沿って行った。
制作チームは2年にわたり技術開発に取り組み、120万枚を超える素材画像を生成し、全編を100回以上改訂した。長編映画の制作に当たり、登場人物の外観を各場面で一致させることや、複雑な場面における人物と背景の位置関係などの課題に対応した(「中国電影報」10月21日)。
博納影業の蒋徳富行政総裁が、同作品の総プロデューサーを務めた。同氏によると、制作費は1,000万元(約2億4,000万円、1元=約24円)を超えた。同規模の作品を実写で制作した場合、少なくとも3億元を要するとの見方を示した。
従来の映画制作では、撮影設備や視覚効果用ツールなどが主な費用項目となる。AI映画では、演算能力、電力、データ保存設備などが主な費用となった。実写映画と比べて資金面の負担は大幅に減少した一方、映像の生成と修正を繰り返したことで、制作時間は長期化した(「経済観察報」10月24日)。
(許蓓莉)
(中国)
ビジネス短信 cb75ca69116f1bcb





閉じる