台湾、2027年1月から月額最低賃金を4.75%引き上げ
(台湾)
調査部中国北アジア課
2026年10月06日
台湾労働部は9月29日、最低賃金審議委員会(以下、審議委員会)の協議結果を発表
した。それによると、2027年1月1日から月額の最低賃金を3万900台湾元(約15万4,500円、1台湾元=約5円)とし、現行の2万9,500台湾元から1,400台湾元引き上げる(引き上げ率約4.75%)とした。時給ベースでは現行の196台湾元から205台湾元に引き上げる(添付資料表参照)。月額最低賃金の引き上げは11年連続の決定となり、その累計引き上げ率は54.4%、時給のそれは70.8%に達する。
審議委員会では、労使双方が消費者物価指数(CPI)上昇分の反映と、経済成長の果実を合理的に配分するべきとの意見で一致した。労働者側委員は、物価高騰による低所得層などの実質賃金低下と生活圧迫を背景に、経済成長の成果は労働者にも還元されるべきであるとして強く引き上げを求めた。一方の使用者側委員は、足元の経済成長は人工知能(AI)・ハイテク産業が牽引している一方で、大多数の労働者を雇用する中小企業や伝統産業は業績が低迷しているとし、産業の二極化が進んでいると指摘した。原材料高騰や国際競争の激化、人手不足といった課題にも直面していることから、最低賃金の調整にあたっては各産業の負担能力に配慮すべきだと主張した。
労働部によると、今回の引き上げにより、約261万人の労働者が恩恵を受ける見込みだ。内訳では台湾の労働者が約220万人、外国人労働者が約41万人となる。
労働部は、中小・零細企業の発展促進は当局の重要政策の1つであると説明した。経済部は支援策の展開や関連法改正を検討しており、各部が連携して中小・零細企業への支援と労働生産性向上を進めているという。加えて、2027年に予定している1人当たり1万台湾元の現金支給(注)も内需拡大を下支えすると述べた。また、中東情勢や原材料高騰、不当廉売などの影響を受ける産業への支援策も速やかに策定し、「労働者と産業の双方を力強く後押しする」との姿勢を強調している。
(注)台湾当局が2026年8月20日に閣議決定した2027年度の総予算案には、AI産業の発展による経済成長の恩恵を住民に還元するための措置として、1人当たり1万台湾元の現金給付を実施することが盛り込まれている。予算案の法的手続きが完了次第、給付が開始される予定だ。
(藤本海香子)
(台湾)
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