「Fine Food Australia」が開催、工夫を凝らす日本食品
(オーストラリア)
シドニー発
2026年10月06日
オーストラリアの大規模な食品見本市「Fine Food Australia」が8月31日~9月3日、メルボルンで開催された。2026年度は実績が未発表だが(本稿執筆時点)、前年度は約2万1,000人が来場し、926社が出展した。会場では、日本の商品・サービスが幅広く展示され、日本食品や日本食文化が、工夫を凝らし、オーストラリア市場に着実に浸透している状況がうかがえた。
日本からは、国税庁ブースの日本産酒類15社のほか、抹茶、乳製品、調味料、水産品、食品容器など計27社が出展した。各社は試飲・試食や商談を通じて、日本産品の品質や付加価値を来場者に訴求していた。
国税庁の日本産酒類ブースでは、ゆず酒や梅酒などのリキュール酒への関心が目立った。出展者からは、日本産の酒類になじみが薄い消費者でも受け入れやすく、引き合いが強かったとのコメントがあった。
会場で特に存在感を示していたのは抹茶関連商品だった。抹茶そのものの販売だけでなく、果汁と組み合わせた飲料用パウダーや、抹茶を使用したチョコレート、ジェラートなど、現地消費者の嗜好(しこう)に合わせてアレンジされた商品が、日本企業のみならず、地場系を含め多くの出展者によって展示された。抹茶は、健康志向の高まりを背景に人気が続いているが、会場では現地の嗜好に合わせたアレンジ商品が数多くみられた。日本食材は、そのまま紹介する段階から、現地市場向けにローカライズして展開する段階へと進みつつあることがうかがえた。
また、日本の水産関連企業の中には、水産物を活用したフィンガーフード(手軽に提供できる一口サイズの軽食)を提案する企業が出展していた。オーストラリアでは、飲食店営業(調理・提供)に関する規制が比較的厳しく、店舗によっては、調理が制限される場合がある。同社はこうした市場環境に着目し、調理を必要としない商品を提案していた。
出展企業へのヒアリングでは、「多様な民族的・宗教的背景を持つ消費者で構成されるオーストラリア市場では、より幅広い層への訴求を目指す上で、ハラール対応などへの配慮が重要となる」との声が聞かれた。特に、菓子類をはじめとする加工食品では、原材料や認証への対応が販路拡大の後押しとなるという。
今回の展示内容からは、日本産品の市場拡大に当たっては、品質の高さだけでなく、現地の制度や顧客ニーズ、嗜好を踏まえた商品開発や提案が重要であることがうかがえた。
(小笠原まりさ)
(オーストラリア)
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