「日・ブータン ビジネスフォーラム」開催、GMCなど投資誘致

(ブータン、日本)

調査部アジア大洋州課

2026年10月07日

ジェトロは9月28日、ブータンのリオンポ・ナムギャル・ドルジ産業・商業・雇用相の来日に合わせて、「日・ブータン ビジネスフォーラム」を東京で開催した。日本とブータンの外交樹立40周年を記念し、国際協力機構(JICA)、ブータン産業・商業・雇用省(MoICE)と共催したもので、関係者を含め約100人が参加した。

冒頭にあいさつした駐日ブータン大使のベツォプ・ナムギャル氏は、1964年から同国の農業技術指導に当たった“ダショー(最高に優れた人)”西岡京治氏の事績に触れ、以来長年にわたる日本の開発援助に対して感謝の意を示した。その上で、日本企業が同国産業へ「長期的パートナーとして投資することを希望する」と述べた。続いて、ジェトロの奥村明子理事は、外交樹立40周年の節目を迎えた両国関係が「従来の友好関係だけでなく、経済分野に広がっていくことを強く希望する。経済分野でも最高のパートナーとなり得ると信じる」と期待を示した。経済産業省通商政策局アジア大洋州課の河合真衣企画官は来賓としてあいさつし、「両国経済関係がさらに発展することを祈念する」と述べた。

基調講演に登壇したドルジ産業・商業・雇用相は、ブータンが「経済変革の決定的な時を迎えている」とし、国王主導の新都市開発プロジェクト「ゲレフ・マインドフルネス・シティー(GMC)」への日本企業の参画を呼びかけた。ドルジ大臣は、「ブータンの商業的成功に日本の専門知識を役立ててほしい」と述べ、同フォーラムで始まった対話をブータンで2027年2月開催予定の「インベスト・ブータン・サミット」で継続したいとの期待を示した。続いて登壇したMoICE産業局のソナム・ラモ主席産業担当官は、2034年までにGDPを100億ドル(現在の3倍)、2050年までに経済を10倍、2029年までに海外直接投資を50億ドルというブータンの国家目標を説明し、豊富な自然エネルギーを利用したカーボンネガティブの利点などを挙げた。また、日本円での投資が可能なことや、本国還流、外貨建て借り入れといった制度面での保護、汚職レベル(腐敗認識指数)がシンガポール、日本に次ぐアジア3位のクリーンさであることなどのメリットを説明した。

そのほか、ブータンの観光、エネルギー、ITなど重点分野の担当官や企業代表者が登壇した。IT分野の投資機会では、ソフトウエア開発やアウトソーシング(KPO/BPO)、データセンター、サイバーセキュリティー、その他分野では「プンツォリン・タウンシップ開発プロジェクト(PTDP)」などが挙げられた。

講演プログラムの最後に登壇したJICA南アジア部長の山田哲也氏は、ブータン経済のバランスの取れた成長のための取り組みとして、デジタルヘルスプラットフォーム構築や遠隔医療(母子保健)、ドローン利活用などの協力実績を説明。民間企業との連携も進めており、JICAとの連携を通じてブータンでの概念実証(PoC)に取り組むこともできると紹介した。

閉会あいさつに立ったMoICE産業局のチミ・ツェリン局長は、経済変革を進める同国には大きな投資機会があるとし、「ぜひ自らブータンに来て体験してほしい」と参加者に呼びかけた。

写真 (左から)ツェリン産業局長、ナムギャル大使、ドルジ大臣、奥村理事、河合企画官、山田部長(ジェトロ撮影)

(左から)ツェリン産業局長、ナムギャル大使、ドルジ大臣、奥村理事、河合企画官、山田部長(ジェトロ撮影)

フォーラム後のネットワーキングでは、ブータンへの投資機会に関心を寄せる参加者の声が聞かれた。アジアでスタートアップ支援を手掛ける企業は「GMCの先進的な取り組みに非常に関心がある。ブータンとのつながりをつくっていきたい」と意欲を示したほか、ヘルスケアや物流、サイバーセキュリティーなどの分野の投資機会に言及する参加者もいた。

(山本佳典)

(ブータン、日本)

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