カナダ・ブリティッシュ・コロンビア州議会選、保守党が約1世紀ぶりの政権奪還

(カナダ)

調査部米州課

2026年10月27日

カナダ西部ブリティッシュ・コロンビア(BC)州で10月24日、州議会の総選挙が行われた(集計速報外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。公共放送CBCは同日、BC保守党が議会の過半数を確保することが確実になったと報じた。1928年の総選挙以来、約1世紀ぶりの州政権奪還で、同党代表のローン・ドークセン氏が次期BC州首相となる見込みだ。一方、与党・BC新民主党(NDP)は議席を減らし野党に転落する見込みで、同党率いるデイビット・イービー州首相は党代表からの辞任を表明した。最終的な選挙結果は、11月6~10日に実施される郵便投票の集計をもって確定する。

今回の選挙でBC保守党が勝利した背景には、住宅価格の高騰や医療サービスの不足などへの有権者の不満に加え、イービー政権が議会の停滞を打開するため、任期を約2年残して前倒し選挙に踏み切ったことへの反発もあったとみられる。2024年州議会選では、保守党が猛追しBCNDPに僅差に迫っていた(2024年11月5日記事参照)。BC保守党は、州の基礎控除額引き上げによる1人当たり年間1,000カナダ・ドル(約11万2,000円、Cドル、1Cドル=約112円)の所得税軽減策や、設備・ソフトウエアなどにかかる州売上税(PST)の3年間免除を掲げた。

エネルギー分野では、BC保守党は天然ガス生産量を2032年までに2倍、2035年までに3倍に拡大し、BC州を「エネルギー超大国」とする方針を示している。イービー政権が再生可能エネルギーや電力供給の拡大を背景に「クリーンエネルギー超大国」を掲げてきたのに対し、BC保守党はクリーンエネルギーに力を入れつつも、天然ガスの開発拡大を前面に出しており、新政権によるエネルギー政策の具体化が注目される。

一方、BC保守党は、2019年に全会一致で可決した先住民族の権利宣言法外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(DRIPA)について、BC州の経済機会を失わせているとして、同法の廃止を訴えている。同法が廃止されたとしても先住民族との対話を続ける方針を示しているが、先住民族との権利調整を巡る訴訟が増える可能性を懸念する声も上がっている。

BC州バンクーバー市長選では現職を押さえ新人が当選

10月17日には、市長や市町村議会などを改選するBC州の地方選挙が実施された。このうち、バンクーバー市長選では、ピート・フライ氏(緑の党)が現職のケン・シム氏(市政与党ABCバンクーバー)を破って初当選した。また、定数10の同市議会では、緑の党と市民政党COPEがそれぞれ4議席を獲得した。7議席だったABCバンクーバーは、今回の選挙で1議席に後退した。

(木村勇翔)

(カナダ)

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