インドネシアがシンガポール向けガス輸出削減を発表

(インドネシア、シンガポール)

ジャカルタ発

2026年10月27日

インドネシアの石油・天然ガス上流事業特別実施機関(SKK Migas)のジョコ・シスワント長官は10月23日、シンガポール向けガス輸出を10月24日から削減すると明らかにした。削減量はナトゥナ産15BBTUD(1日当たり10億英国熱量単位)、スマトラ産16BBTUDの計31BBTUDで、他国向けの削減はない(10月24日付「アンタラ」)。同長官は、国内の電力向けガス供給の安定確保が目的だと述べた(10月24日付「CNBCインドネシア」)。

シンガポールのエネルギー市場監督庁(EMA)は24日、削減量は18日間にわたり17BBTUDで、同国の1日当たりのガス需要(1,000BBTUD超)の2%未満と説明した。ローレンス・ウォン首相は、全ての関係者が契約上の約束を順守することを期待すると述べた(10月26日付「CNBCインドネシア」)。

今回の措置の背景として、インドネシアのスマトラ島やカリマンタン島における火災を原因とするヘイズ(煙害)を巡る両国の対立の中で行われたとする見方もある。シンガポール政府は、火災に関与した企業に越境ヘイズ汚染法に基づく措置を取る方針で、インドネシア企業7社に警告書を送った(10月26日付「カタダタ」)。また、米国の指数算出大手MSCIの再分類案に起因するムハンマド・ルトフィ元商業相の発言も論争になっている。MSCIはインドネシアを新興国市場からスタンドアロン市場に再分類する案を発表し(10月15日付、MSCIプレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)、2027年4月30日まで意見募集を行っている。ルトフィ氏は、シンガポールの政府系投資会社テマセク・ホールディングスなどが同案に圧力をかけたと主張したが、テマセク側はこうした主張を否定した(10月21日付「インベスタートラスト」)。

インドネシア側では、10月21日の全体閣議でプラボウォ・スビアント大統領が国の富や天然資源を守るための「サバイバル」の必要性を強調し、閣議後、バリル・ラハダリア下流化・エネルギー移行担当調整相(エネルギー・鉱物資源相兼務)が、国内需要の充足を優先するため、隣国向けのガス輸出を延長しない可能性にも言及した(10月21日付「ドゥティク」)。

(大滝泰史)

(インドネシア、シンガポール)

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