日系企業向けオーストラリア就労ビザセミナーを開催

(オーストラリア)

シドニー発

2026年10月02日

ジェトロは9月15日、日系企業のオーストラリアでの事業展開を後押しするため、オンラインセミナー「豪州ビザ~Skills in Demand Visa の基礎情報からケーススタディまで~」を開催した(注)。同セミナーでは、AOMビザコンサルティングの足利弥生代表、ワイリー & Co. マイグレーションのジェイコブ・ワイリー代表が講師を務め、約270人がオンラインで参加した。

近年、日豪企業間のM&Aが増加し、2024年には、日本の対オーストラリア直接投資が過去最高額を記録するなど、オーストラリアでの日本企業の存在感は増している。一方、オーストラリア政府が移民受け入れを抑制する中、日本人駐在員の派遣や現地での人材確保が課題となっている。

オーストラリアの就労ビザ(サブクラス482)は、一般的に、幹部向けの「Specialist Skills」と、専門職・技術職向けの「Core Skills」に大別される。現地法人を持たない日本企業も国外から申請でき、企業実績やポジションの内容、所得基準、申請者の職務経験・適格性などが審査対象となる。

セミナーでは、就労ビザの申請に際し、7月25日に発効した内務大臣指示119PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)で指定された重点業種(法執行・国防関連および建設、医療、教育関連)や、オーストラリア国内からの申請が優先的に審査されることについて説明があった。そのため、今後進出する非重点業種の企業による申請は、相対的に優先度が低くなり、時間を要する可能性がある。

ワイリー氏は、「一部在外公館でのビザ業務停止などもあり、これまでよりも時間がかかっている。今後の影響や具体的な所要日数は不明で、政府発表や動向を注視することが重要」と述べた。

質疑応答では、海外赴任手当の取り扱いや健康診断、民間医療保険の必要性などについて質問があり、個々の状況に応じた申請支援の必要性が示された。

セミナー開催後の9月19日には内務大臣指示121PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)が発効し、就労ビザ申請における優先順位が改定された。新たな重点業種として、資源、農業、養殖、漁業分野が新規追加され、これらが第1優先となった。また、幹部ポジションが対象となる「Specialist Skills」については第2優先、それ以外の国内からの申請を第3優先とされた。一方、専門職・技術職向けの「Core Skills」は、新たな重点業種や「Specialist Skills」に比べて、審査上の優先順位が低くなる。

ジェトロでは、「就労ビザ取得ガイドPDFファイル(1.2MB)」を適宜改定、公開している。

(注)主催:ジェトロ、共催:全豪日本商工会議所連合会所属の6商工会議所、後援:日本商工会議所・東京商工会議所、および日豪経済委員会。

(中村奈々子、渡邉尚之)

(オーストラリア)

ビジネス短信 b471cd56c0408682