ドイツのメルツ首相がキーウ訪問、ウクライナ支援継続を表明、エネルギー分野でも協力拡大
(ドイツ、ウクライナ)
ベルリン発
2026年10月23日
ドイツのフリードリヒ・メルツ首相は10月4日、カテリナ・ライヒェ経済・エネルギー相やドイツ企業の代表団とともにキーウを訪問し、ウクライナのボロディミル・ゼレンスキー大統領と会談した(プレスリリース
、英語)。メルツ首相がドイツ経済界のハイレベルな代表団を伴ってウクライナを訪問するのは、ロシアによる侵攻後初めてとなる。この訪問において首相は、ウクライナ支援の継続や経済協力の深化をあらためて打ち出した。
記者会見でメルツ首相は、ドイツによるウクライナ支援が欧州の安全保障にもつながるとの認識を示すとともに、ロシアに対しては和平交渉を呼びかけた。また、ゼレンスキー大統領との会談では、メルツ首相が提案するウクライナの準加盟(assoziierte Mitgliedschaft)構想にも言及した上で、EU加盟を加速させたい考えも示した。さらに、10億ユーロ超の追加軍事支援パッケージのほか、発電機や変電設備、修復作業向けとして約3億5,000万ユーロを拠出することを公表。これには、ロシアからのエネルギーインフラへの攻撃の影響を緩和し、冬季を迎えるウクライナを支援する狙いがある。ウクライナ大統領府によると、今回の訪問に合わせてドイツ側との間で15件の協力文書がまとまり、合意総額は85億ユーロを超えた。その大半は安全保障協力や調達、生産、共同事業などに関する案件だ(プレスリリース
、英語)。
エネルギー分野では、シーメンス・エナジーとウクライナのエネルギー企業ナフトガスの間で覚書が締結された。両社は、エネルギーインフラの保護・強靱(きょうじん)化、地下ガス貯蔵施設の近代化、発電プロジェクトの開発などで協力する。また、エネルギー安全保障に関する監査やリスク評価、危機対応、迅速な復旧やサイバーセキュリティー対策に向けた取り組みも進める。この覚書についてシーメンス・エナジーのクリスチャン・ブルッフ最高経営責任者(CEO)は、ウクライナのエネルギーシステムの強靱化とエネルギー技術の発展に向けた同社の長期的な取り組みを示すものだとコメントしている。
ゼレンスキー大統領は会談後、ドイツとの戦略的パートナーシップは維持されていると強調した上で、冬の到来を前にエネルギー分野への支援を含む包括パッケージを歓迎した。
(打越花子)
(ドイツ、ウクライナ)
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