ラオス新首相にサルムサイ氏、経済安定化が課題

(ラオス)

ビエンチャン発

2026年10月08日

10月5日に開幕したラオス第10期国会第2回通常会議の初日、ソーンサイ・シーパンドーン首相が国会議長に選出され、後任の首相にサルムサイ・コンマシット常任副首相が選出された。サルムサイ氏は、出席した国会議員158人全員による賛成を得て首相に就任した。ソーンサイ氏は、2026年8月に死去したサイソムポーン・ポムビハーン前国会議長の後任となる。

サルムサイ新首相は1968年10月31日生まれ。1986~1992年にロシアのモスクワ国立国際関係大学で国際関係学を学び、修士号を取得した。1996~1997年にはオーストラリアのモナシュ大学に留学し、国際研究・開発学の修士号を取得した。

1992年にラオス外務省に入省し、オーストラリア、米国、西欧、国連機関などを担当した。2007~2011年に国際機関局長、その後、外務次官補を経て、2012~2013年にはニューヨークの国連ラオス政府代表部常駐代表を務めた。2014年2月に外務副大臣、2016年4月に外相に就任した。

2022年6月には副首相兼外相に昇格した。2024年11月に外相を退き、副首相専任となった。2026年3月には常任副首相に就任した。

サルムサイ新首相は、外務官僚として2カ国間・多国間外交で豊富な経験を積む一方、副首相就任後は経済政策の主要分野にも担当を広げた。国家貿易・運輸円滑化指導委員会の委員長を務めたほか、2024年12月以降は、対内・対外債務解決委員会や国営企業改革委員会などの委員長を担当した。さらに、2026年4月からは投資を管轄する投資奨励管理委員会(IMPC)の委員長にも就任するなど、経済政策を横断的に担当してきた。

ラオス人民革命党内では、2016年1月の第10回党大会で党中央執行委員に初選出され、名簿上の序列は50位だった。2021年1月の第11回党大会では、最高意思決定機関である政治局のメンバーに抜てきされ、序列は13位に上昇した。2026年1月の第12回党大会では政治局員に再選され、序列を8位に上げた。

サルムサイ新政権にとって最大の課題は、ラオス経済の安定化だ。通貨キープの下落と物価上昇は緩和傾向にあるものの、債務返済負担や国営企業の経営問題、脆弱(ぜいじゃく)な財政基盤などの構造的な課題は残る。また、ラオスは2026年11月24日、国連の後発開発途上国(LDC)のカテゴリーから卒業する予定だ。新政権には、マクロ経済の安定化を進めるとともに、LDC卒業後も持続可能な成長を維持するための厳しいかじ取りが求められる。

写真 サルムサイ新首相(ジェトロ撮影)

サルムサイ新首相(ジェトロ撮影)

(山田健一郎)

(ラオス)

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