ニュージーランド初の地下鉄開業、オークランド都心と郊外を結ぶ

(ニュージーランド)

シドニー発

2026年10月06日

ニュージーランドのオークランドでは9月11日、都市鉄道プロジェクト「シティ・レール・リンク(CRL)」が正式開業し、同月13日から一般旅客サービスが始まった。CRLは、既存の鉄道路線を都市部の地下トンネルで接続し、鉄道ネットワークの運行体系を再編するプロジェクトで、ニュージーランド初の本格的な都心地下鉄道として中心市街地と郊外を結ぶ。交通局オークランド・トランスポート(AT)と国営鉄道のキウイレールが所有・管理し、オークランド・ワン・レールが列車を運行する。当初は2024年の開通を予定していたが、インフレや燃料価格高騰などによる建設コストの増加で事業費が膨らみ、開業が大幅に遅れていた。

CRLでは、全長3.4キロの複線地下トンネルが整備され、市街地中心のビジネス区(CBD)では、新たにカランガ・ア・ハペ(Karanga-a-Hape)とテ・ワイホロティウ(Te Waihorotiu)の2駅が建設されたほか、既存のマウンガファウ(Maungawhau)駅が再整備された。また、ワイテマタ(Waitematā)駅も通過型駅として再整備された。東部・西部線が統合されてイースト・ウェスト線となるなど、新たな駅と区間の開業によって既存路線の運行体系が再編された。オネフンガ線はヘンダーソン(Henderson)まで延伸されるなど、CBDと郊外を結ぶ鉄道網が再編された。

新たな鉄道網整備によって、市民の移動利便性は大きく向上する。例えば、西オークランドのニューリン(New Lynn)から新設テ・ワイホロティウ駅(都心部)までの所要時間は、これまではバスの乗り換えを含めて約40分だったが、乗り換えなしの直通運行により24分に短縮される。運賃は4.90ニュージーランド・ドル(約431円、NZドル、1NZドル=約88円)で従来と変わらない。道路渋滞の影響を受けることなく、都心まで30分以内で移動が可能になる。

開通式典でウェイン・ブラウン・オークランド市長は、「市民が長年待ち望んでいた大型交通インフラがついに開業を迎えた。今後は、毎時1万9,000人の輸送力を持つこのメトロの利用をさらに拡大していくことが私の責任だ」と述べた。沿線の都市開発や中心市街地の活性化にも大きな影響を与えるとみられ、その波及効果に注目が集まっている。

写真 (左)新設カランガ・ア・ハペ駅の様子、(右)駅構内の様子(案内版の表記はマオリ語・英語併記)(ともにジェトロ撮影)

(左)新設カランガ・ア・ハペ駅の様子、(右)駅構内の様子(案内版の表記はマオリ語・英語併記)(ともにジェトロ撮影)

(伊東佐和子)

(ニュージーランド)

ビジネス短信 a28611dfec0940ac