ベトナムのラム氏、カナダで2国間貿易額150億米ドルの目標示す

(ベトナム、カナダ)

ハノイ発

2026年10月01日

ベトナムのトー・ラム共産党書記長兼国家主席は9月24日、カナダのマーク・カーニー首相と会談し、両国関係を従来の「包括的パートナーシップ」から「戦略的パートナーシップ」へ格上げすることで合意した。ベトナムは現在、カナダにとってASEAN最大の貿易相手国であり、両国は貿易・投資関係のさらなる拡大を図る。ラム氏は同日、オタワで開かれたビジネス・ラウンドテーブルで、2030年までに2国間貿易額を140億~150億米ドルへ拡大する目標を示した。今回の訪問は、1973年の外交関係樹立以来、ベトナム共産党書記長による初のカナダへの公式訪問となった。

両首脳は、環太平洋パートナーシップに関する包括的および先進的協定(CPTPP)を活用し、貿易に加えて投資やサプライチェーン、技術・人材交流など幅広い分野で経済連携を深化させる方針で一致した(添付資料表参照)。また、ASEAN・カナダ自由貿易協定(FTA)の早期妥結も支持し、同FTAの早期妥結はASEANとカナダの経済関係拡大の基盤になるとの認識で一致した。

ラム氏は、両国関係を貿易中心から投資協力をより重視する関係へ発展させる必要性を訴えた。同氏はまた、カナダ企業に対し、製造業に加え、デジタル技術、人工知能(AI)、研究開発(R&D)、データ活用、クリーンテクノロジー分野への投資拡大を呼びかけた。さらに、カナダの長期資本とベトナムの質の高いプロジェクトとの結び付きを強化し、産業高度化や生産性向上につなげたい考えを示した。

両国は、液化天然ガス(LNG)、水素、再生可能エネルギー、重要鉱物、輸送・物流、半導体、量子技術、AI分野などを協力拡大が期待される分野として挙げた。両国はエネルギー協力に関する覚書(MOU)を締結したほか、再生可能エネルギーや原子力の平和利用に関する協力可能性も協議した。また、航空輸送協定の拡大交渉が妥結し、両国間の旅客便・貨物便の直行便運航が可能となった。人的往来の拡大に加え、新たな貿易・投資機会の創出が期待される。

訪問期間中には、ベトナム航空とカナダの航空訓練大手CAE、格安航空会社VietjetとCAE、Vietjetとカナダの航空業界向けデジタルソリューション企業InteliSys Aviation Systemsとの間で、航空人材育成やデジタル化、AI活用に関する協力文書を締結した。両国は今後、戦略的パートナーシップの行動計画を策定し、貿易拡大と投資促進を通じた経済協力の具体化を進める方針だ。

(吉田薫)

(ベトナム、カナダ)

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