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米テキサス州で太陽光関連事業の一貫生産体制構築に向けた日米協力プロジェクトを開始
(米国、日本)
ヒューストン発
2026年10月16日
太陽光パネル関連機器製造・販売事業のTOYOは10月6日、テキサス州ヒューストン近郊の製造拠点で、太陽光モジュール(パネル)の年間生産能力を2ギガワット(GW)へ拡張したことを記念する工場拡張完工式典を開催した。式典には米商務省、在ヒューストン日本総領事館、地元政府関係者、投資家、顧客企業などが参加した。同社は現在のモジュール製造(注1)に加え、将来的には太陽電池セル(注2)、インゴット(注3)、ウエハー(注4)など上流工程へ事業領域を拡大し、米国内で原材料から最終製品まで自社で一貫生産する、太陽光サプライチェーンの垂直統合を進める方針を示した。
式典で小野塚恭彦社長は、約3億5,700万ドルを投じて1.5ギガワット(GW)規模のヘテロ接合(HJT、注5)太陽電池セル工場を建設する計画をあらためて説明した。同工場は2028年第1四半期の完成を目指しており、日本の製造技術と米国の労働力、さらに日米両政府の支援を組み合わせた日米協力プロジェクトであると強調した。
TOYOの投資は、トランプ政権が進める米国内への製造業回帰(オンショアリング)政策を背景とした案件だ。第2次トランプ政権は、中国依存の低減や米国製造業の復活、エネルギー安全保障の強化を掲げ、太陽光発電、半導体、電気自動車(EV)電池などの戦略産業で国内生産拡大を促している。また、トランプ大統領は2026年8月、1962年通商拡大法232条に基づき、ポリシリコンとその派生製品(太陽電池セル、ソーラーモジュール、半導体など)の輸入が米国の国家安全保障を損なう恐れがあると判断し、追加関税や最低輸入価格制度などの保護措置を発表した。
こうした政策を背景に、TOYOはモジュール製造からセル製造へと事業を拡大するだけでなく、将来的にはインゴットやウエハー製造や米国産ポリシリコンとの連携も視野に入れている。米国内で「ポリシリコン→ウエハー→セル→モジュール」の一貫生産体制を構築することで、サプライチェーンの強化と中国依存の低減に貢献すると、同社は説明している。
式典では、米商務省産業安全保障担当次官のジェフリー・ケスラー氏も登壇し、2GWへのモジュール生産能力拡張や1.5GWセル工場への追加投資を高く評価した。同次官は、米国内での生産・投資を行う企業を支援する一方、海外依存には関税措置などで対応するトランプ政権の方針をあらためて強調した。
同社によると、今回のモジュール工場拡張とセル工場建設によって、直接雇用に加え、建設関連や地域サプライチェーンを含めた雇用創出効果が期待されている。
完工式典の様子(ジェトロ撮影)
新設された工場内部の製造ラインの様子(ジェトロ撮影)
(注1)多数のセルをガラスやフレームで封止した完成品。
(注2)ウエハーに電極や特殊な膜を形成し、光を電気に変換できる状態にしたもの。
(注3)ポリシリコンを溶かして固めた大きな結晶ブロック。
(注4)インゴットを0.1~0.2ミリ程度の薄い板にスライスしたもの。
(注5)結晶シリコンとアモルファスシリコンを組み合わせた高効率太陽電池技術。
(笹川佐季)
(米国、日本)
ビジネス短信 9ea051c750f9d305





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