米国での企業立地評価の焦点、コストから「実行力」へ、ジョージア州が13年連続首位

(米国)

アトランタ発

2026年10月05日

米国における企業の立地情報を提供する「エリア・ディベロップメント」誌は9月30日、全米州別ビジネス環境ランキング(総合)を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますし、13年連続でジョージア州を全米首位に選出した(添付資料表参照、注)。

2026年版では、企業立地の競争力を「プロジェクト実現の確実性」という観点から評価した。発行人のデニス・シェイ氏は、人材、用地、インフラ、行政対応などの個別要素だけでなく、事業計画から建設、操業開始までを予定どおり進められる能力が州の競争力を左右すると指摘した。

総合ランキングでは、ジョージア州をはじめ、テネシー州(3位)、ノースカロライナ州(4位)、サウスカロライナ州(6位)、アラバマ州(7位)など、南東部の州が上位を占めた。ジョージア州は「熟練製造業人材へのアクセス」で全米首位となったほか、「州・地方政府の対応力」「市場投入までのスピード」でも首位を獲得した。物流インフラやエネルギー供給能力でも上位に入り、製造業投資を支える総合力の高さが評価された。

一方、分野別ランキングでは、地域ごとの強みもみられた。ノースカロライナ州は「イノベーション・研究エコシステム」で首位、工学系人材でも3位となった。マサチューセッツ州やカリフォルニア州も研究開発分野で高い評価を受けており、大学や研究機関との連携を重視する企業にとって、有力な立地候補となりそうだ。

製造業人材や産業集積を重視する場合には、中西部地域の優位性もみられた。ミシガン州は工学系人材で2位、オハイオ州は熟練製造業人材で3位となった。また、給水・排水処理能力ではミシガン州が首位、オハイオ州が2位、ウィスコンシン州が3位となった。記事によると、給水・排水処理能力が大型投資案件の重要な評価項目になっていると指摘し、水処理インフラの整備状況などを背景に、中西部に新たな投資機会が生まれる可能性があるとしている。

インフラ面では、テキサス州が産業用地、エネルギー供給能力、物流インフラで首位となった。記事によると、大規模投資案件では、必要な電力を必要な時期に確保できるかが重要な検討事項になっていると指摘した。また、電力供給の可用性は、デューディリジェンス段階ではなく、立地選定の初期段階から確認される項目になっているという。

今回の結果から、量産工場や物流拠点では南東部、研究開発拠点ではノースカロライナ州や北東部、西海岸、水資源や製造業人材を重視する案件では中西部が強みを持つことが示唆された。また、企業立地評価の重点は、税制優遇や低コストだけではなく、電力、用地、行政対応を含む「投資案件の実行力」へ移りつつある。

(注)調査は企業立地コンサルタント50人を対象に実施され、20の評価項目に基づき州別ランキングを作成した。

(檀野浩規)

(米国)

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