GCash運営会社ミントが上場、530億ペソの大型IPOを実施

(フィリピン)

マニラ発

2026年10月30日

EウォレットアプリGCash(注1)の運営会社であるミント(Mynt)は10月20日、新規株式公開(IPO)を経て、フィリピン証券取引所(PSE)に上場した。IPOによる調達額は530億ペソ(約1,325億円、1ペソ=約2.5円)に上り、フィリピンのフェルディナンド・マルコス大統領も上場の記念式典に出席した。公開株価である1株当たり6.60ペソで取引を開始し、IPOでは約80億3,000万株が売り出された。12億株の追加売り出し(オーバーアロットメント)が全額実施された場合、調達額はフィリピン史上最大の約609億ペソに達する可能性がある(注2)。上場時点の時価総額は約4,415億ペソとなり、前営業日(10月19日)の終値を基にすると、同取引所で7番目に大きい国内企業となった。

JPモルガンによると、上場に向けたマーケティング活動には、アジア、欧州、米国の約200の機関投資家が参加し、割当株数16億株に対し、26億5,000万株を超える注文が集まった。調達額530億ペソのうち、ミントが公募により調達した資金は約100億ペソで、このうち約60%に相当する55億ペソを、融資、投資、保険などのデジタル金融サービス事業の拡大に充てる計画だ。また、20%を新商品の展開、残りの20%を事業運営資金として活用するとしている。GCashの資本市場・IR責任者であるジョセフ・サミュエル・タン氏は、「フィリピン人の約40%は、いまだに正規の金融機関以外からの借り入れに依存している。われわれは、こうした人々を金融サービスに取り込み、公正に融資にアクセスできる機会を提供したい」と述べた。

(注1)フィリピンの電子決済サービスを手掛けるミントが運営するEウォレットアプリ。ミントは、2015年にグローブ、財閥企業のアヤラ、アントグループ(旧アントフィナンシャル)によって設立された企業で、グローブとアヤラはミントの主要株主となっていた。

(注2)これまでの取引最高額は、2021年のモンデ・ニッシンの558億9,000万ペソ。

(西岡絵里奈、アギラー・パールホープ)

(フィリピン)

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