米アップル、インドで「Apple Pay」を提供開始、地場大手銀行と提携
(インド)
ムンバイ発
2026年10月07日
米アップルは9月30日、地場大手銀行と提携し、インドでモバイル決済サービス「Apple Pay」の提供を開始したと発表した。インドは世界有数のデジタル決済市場である一方、これまでApple Payが未展開だったため、今回のサービス開始は同社のインド事業拡大の一環として注目される。
サービス開始時点で対応するクレジットカードは、地場のアクシス銀行が発行する「VISA」および「マスターカード」のブランドのものだ。利用者はiPhone、iPad、Apple Watchの「ウォレット(Wallet)」アプリにカード情報を登録し、店舗やアプリ、ウェブサイトで非接触決済を利用できる。支払い時にはFace IDやTouch IDなどの生体認証を用いるため、PINやワンタイムパスワード(OTP)を入力する必要がなく、安全性と利便性の向上が期待される。
アップルのApple PayおよびApple Wallet担当バイスプレジデントのジェニファー・ベイリー氏は、「インドはデジタル化が進む市場であり、消費者は高水準のセキュリティーとプライバシーの保護を求めている」と指摘している。また、「Apple Payは店舗、アプリ、オンライン上での支払いをより簡単かつ安全にするだろう」とも述べている。また、アクシス銀行の最高経営責任者(CEO)であるアミターブ・チャウドリー氏は、「決済分野では技術革新と顧客ニーズの変化が進んでおり、Apple Payの導入は顧客にさらなる選択肢と柔軟性を提供する」と述べている。
一方で、Apple Payはインドのデジタル決済市場で圧倒的なシェアを持つ統合決済インターフェース(UPI)には現時点で対応していない。サービスは当面、スマートフォンを決済端末にかざすNFC(Near Field Communication:近距離無線通信)を活用したカード決済として展開される。そのため、QRコードを利用したUPI決済が主流である一般小売店や個人商店では利用範囲が限定される可能性がある。
インドでは政府主導でキャッシュレス化が進み、デジタル決済件数が急増している。Apple Payの参入は、クレジットカード利用者や高所得層を中心に非接触決済の選択肢を広げるとともに、同国の決済市場における競争を一段と活発化させる可能性がある。
(野本直希)
(インド)
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