2026年上半期の日本の対外直接投資額は前年同期比7.0%増、金融・保険業など非製造業が拡大

(日本、世界、米国、インド)

調査部国際経済課

2026年10月14日

日本の財務省は10月8日、2025年4~6月の国際収支統計の第2次速報を公表した(国・地域別外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます、業種別外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。同統計を基に集計すると、2026年上半期の日本の対外直接投資額は前年同期比7.0%増の16兆4,029億円(ネット、フロー)となった(添付資料表1参照)。対内直接投資額は23.7%増の3兆3,122億円だった。対内直接投資は、負債性資本(注1)の増加が株式資本の減少を上回ったことで全体の金額を押し上げた。

インド向け投資が前年同期の約2.6倍に拡大

対外直接投資の主要地域別では、北米が7兆6,863億円(前年同期比6.9%増)と最大で、欧州が4兆590億円(9.9%増)、アジアが3兆2,459億円(6.6%増)で続いた(添付資料表1参照)。単一国としては、米国が7兆5,065億円(8.4%増)と首位を維持した。インドは前年同期の約2.6倍となる1兆3,698億円に拡大し、米国に次ぐ規模となった。インドでは、金融・保険業において、三菱UFJ銀行が4月8日に大手ノンバンクのシュリラム・ファイナンスへの出資を完了し、出資総額は約3,962億インド・ルピー(約6,800億円、1ルピー=約1.71円)だった(注2)。

英国も約3.0倍の1兆3,463億円に増加した。一方、オランダは1兆3,344億円(13.5%減)、ドイツは4,147億円(12.1%減)だった。

アジア向けは全体では増加したものの、ASEAN向けは1兆4,198億円(28.2%減)となった。シンガポールが4,825億円(49.3%減)、タイが1,978億円(40.8%減)、ベトナムが2,062億円(41.6%減)へとそれぞれ減少した。一方、マレーシアは2,936億円(68.8%増)、インドネシアは1,646億円(17.9%増)となった。中国は2,424億円(25.4%増)と増加し、1~3月、4~6月ともに投資額が回収額を上回った。

業種別にみると(注3、4)、対外直接投資では、製造業が4兆120億円(前年同期比44.9%減)に減少した一方、非製造業は9兆3,814億円(30.4%増)となった(添付資料表2参照)。非製造業では、金融・保険業が3兆578億円(約2倍)と最大で、卸売・小売業が1兆6,972億円(81.7%増)、通信業が1兆4,699億円(4.9%減)で続いた。建設業は7,873億円と前年同期の約5.8倍に増加した。建設業では、住友林業が5月14日、米国の住居建設会社トライ・ポイント・ホームズの買収を完了し、完全子会社化した(注5)。

製造業では、化学・医薬が8,437億円(前年同期比44.8%減)、鉄・非鉄・金属が4,933億円(79.3%減)、輸送機械器具が3,582億円(47.2%減)となった。一方、一般機械器具は5,664億円(29.2%増)、精密機械器具は1,706億円(2.35倍)となり、業種によって動きが分かれた。

対内直接投資では、米国からの投資が2兆3,859億円と前年同期の約4.6倍に拡大した(添付資料表3参照)。形態別では、負債性資本が前年同期の4,221億円から1兆8,933億円に増加した一方、株式資本は1兆3,554億円から5,179億円に減少した。四半期別では、全体で1~3月に3兆3,489億円の投資超過となったが、4~6月は366億円の引き揚げ超過だった。

(注1)負債性資本とは、直接投資関係にある当事者間の資金貸借や、債券の取得処分を指す。

(注2)三菱UFJ銀行の発表PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(2026年4月8日付)に基づく。

(注3)国・地域別はIMF国際収支マニュアル第6版(BPM6)基準の資産負債原則、業種別は親子関係原則に基づくため、国・地域別と業種別の世界計は一致しない。詳しくは日本銀行ウェブサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを参照。

(注4)2025年上半期の業種別計数は、年次改定を反映していない四半期公表値の合計であり、業種別の前年同期比は参考値。国・地域別は、日銀の時系列データの最新値から集計した。

(注5)住友林業の発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(2026年5月14日付)に基づく。

(馬場安里紗)

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