大連市、サービス業高度化の計画を発表、データ産業を重点育成、AI・データ活用を推進

(中国)

大連発

2026年10月08日

中国・大連市政府は9月8日、2030年までのサービス業高度化の発展方針を示す「大連市サービス業産業能力拡大・品質向上に向けた特別アクションプラン」を発表した。同プランでは、2030年までにサービス業付加価値額を7,600億元(約17兆4,800億円、1元=約23円)にし、一定規模以上のサービス業企業(注1)の数について1,500社を上回ることを目指すとともに、人工知能(AI)やデータ産業を重点育成分野として位置付けた。

情報産業では、2030年までにソフトウエア・情報サービス産業の規模を1,700億元まで拡大する目標を掲げた。AI分野では、製造業、金融、医療、教育などでの活用を推進し、垂直業界向け大規模モデル(LLM)、エンボディドAIロボット、AIエージェント分野で高成長企業50社以上の育成、実証・応用シーン100件以上の創出を目指すとした。

データ産業分野においては、設備製造業、石油化学、海洋産業向けの高品質な業界データセット(注2)の整備を進めるとした。また、データアノテーション産業パーク(注3)の整備を先導プロジェクトとして、データ応用イノベーションパークやデータ技術イノベーションパークを新たに整備し、複数の特色あるデータ産業クラスターの形成を図るとした。さらに、医療診断支援、工業製品の品質検査、金融リスク予測などでのデータ活用を拡大するほか、2027年までに全市のAI計算能力を2,000PFLOPS(ペタフロップス、注4)に引き上げる目標を掲げた。また、AI計算センターの拡張や公共計算力サービスプラットフォームの整備により、2030年までに演算能力を1万PFLOPS超へ高める方針だ。

これを踏まえ、大連市は9月10日、国家データ局が公表したデータアノテーション分野における先行実証都市の第2次リストに選定されたと発表した。対象となる重点10分野のうち、大連市は医療・健康分野で選定されている。同発表によると、大連市は20万人超のソフトウエア人材を擁するほか、市内には9つの三級甲等病院(注5)があり、医学画像や電子カルテなどを活用した高品質なデータセットが整備されている。

(注1)一定規模以上のサービス業企業とは、国家統計局の統計基準に基づき、業種別に定められた年間営業収入基準(500万元、1,000万元または2,000万元以上)を満たすサービス業企業を指す。

(注2)高品質な業界データセットとは、収集・加工などの処理を経て、AIモデルの開発・学習に直接利用でき、モデル性能の向上に寄与する業界データの集合を指す。業界共通データセットと業界専門データセットで構成される。

(注3)2025年に大連ハイテクパークで開園。高度なデータアノテーション(データに追加情報を付与する作業)業務を中核として、自動運転、医療・ヘルスケア、エンボディドAI(具身知能)、海洋経済、金融監督・規制などの分野に対応する。現在、21社が入居しているとされる(「大連日報」9月6日)。

(注4)PFLOPSは演算処理能力を示す指標の単位で、1PFLOPSは1秒間に1,000兆回の浮動小数点演算を行う能力があることを示す。

(注5)三級甲等病院は、中国の病院等級制度における最高ランクの病院だ。各省級の衛生健康行政部門が国家衛生健康委員会の評価基準に基づき認定し、法令順守や公益性、安全管理など29項目の基準と、医療サービス能力・品質安全に関する203項目の指標に基づいて4年ごとに審査される。

(李穎)

(中国)

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