ミャンマー大統領がマレーシアを公式訪問、2国間協力と国民の帰還を協議

(ミャンマー、マレーシア)

調査部アジア大洋州課

2026年10月16日

ミャンマー親軍政権のミン・アウン・フライン大統領は10月7~8日、マレーシアのアンワル・イブラヒム首相の招請を受け、同国を公式訪問した。2026年4月の大統領就任後、同国を訪問するのは初めて(注)。8日にはプトラジャヤの首相府で、アンワル首相との首脳会談、両国代表団による2国間協議、共同記者会見に臨んだ。

首脳会談では、世界の政治情勢、ミャンマーの政治情勢、防衛・安全保障について意見交換した。ミャンマー政府発表によると、両首脳はオンライン詐欺・違法賭博、人身取引、麻薬取引などの越境犯罪対策について協議し、情報共有や法執行機関間の連携の重要性を確認した。

続く2国間協議では、友好関係の強化に加え、貿易・投資、農業、教育・研究、保健・医療、中小零細企業支援、電子商取引などの実務協力について協議した。ミン・アウン・フライン大統領は、経済フォーラムや企業間交流、農業・畜産研究、医療サービスなどで協力を拡大する意向を示した。また、マレーシアで生活・就労するミャンマー国民について、職場の安全や権利の保護、社会保障の充実、合法的な就労経路の整備に向けた協力を求めた。

共同記者会見で、アンワル首相は、両国間の懸案に対応しつつ、国民を中心とする協力を強化する考えを表明した。ミャンマーの民主的改革を含む国内情勢についてマレーシア側の見解を伝えた一方、ASEANの枠組みでミャンマーとの関与を進める考えを示した。

両首脳は、マレーシアの入国管理施設などに収容されているミャンマー国民の帰還についても説明した。アンワル首相は、10月8日時点で、空路と海路により1万人を超えるミャンマー国民らが帰国したとし、残る対象者についても身元や記録を確認した上で帰還を進める方針を示した。ミン・アウン・フライン大統領は、帰還を迅速化するため、海軍艦艇を派遣する方針を表明した。

(注)ミン・アウン・フライン大統領の就任後のASEAN加盟国訪問は、ラオス、タイ、ベトナム、カンボジアに続き、マレーシアが5カ国目。海洋部ASEAN加盟国への訪問は初めて。

(アジア大洋州課)

(ミャンマー、マレーシア)

ビジネス短信 804592c5160e09e9