フィンランドで世界初、使用済み核燃料の最終処分場に操業許可

(フィンランド)

ロンドン発

2026年10月28日

フィンランド政府は10月22日、南西部オルキルオトにある使用済み核燃料の封入施設と最終処分場(注1)について、運営会社ポシバに2070年末までの操業許可を付与した。フィンランド経済雇用省の発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますによると、使用済み核燃料の最終処分場が操業許可を得るのは世界初となる。処分の対象はオルキルオトと南部ロビーサの両原子力発電所の使用済み核燃料で、ウラン換算(注2)で最大6,500トン、処分容器約3,300個分に相当するとしている。

政府の判断の根拠となったのは、放射線・原子力安全センター(STUK)が2026年8月4日に経済雇用省へ提出した意見書外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますだ。STUKは、ポシバの施設が原子力法および同法に基づく政令の定める安全要件を満たし、放射線と原子力の安全面で操業許可の付与を妨げる要因はない、と結論付けた。ポシバは2021年12月に操業許可を申請していた。

原子力産業を巡っては、2026年6月17日に議会で可決された新原子力法外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますが2027年1月1日に施行される。同法は、1987年制定の旧原子力法を全面的に改め、原子力発電への新たな投資を後押しすることを目的とする。また、従来の大型原発よりも小型なモジュール炉(SMR)の導入を促進し、エネルギー需要地のより近くに原子力施設を設置できるようにした。サリ・ムルタラ気候・環境相は記者会見で、新原子力法の下でも他国の使用済み核燃料をフィンランドで直接処分することは認められないと説明した(10月22日付STT)。

ポシバを共同所有する電力会社ティオリスーデン・ボイマ(TVO)のフィリップ・ボルダリエ社長兼最高経営責任者(CEO)は10月23日の声明外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで、今回の決定は国際的な原子力産業全体にとって歴史的だとし、オルキルオトの原子力拠点としての地位を一段と強めると述べた。TVOのオルキルオト原子力発電所1~3号機は、フィンランドの電力消費量の4分の1超を賄う。ポシバの発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますによると、同社が持つ最終処分に関する専門知識は、既に19カ国へ展開されている。

操業許可を得ても、使用済み核燃料の最終処分が直ちに始まるわけではない。ポシバは最終処分の開始前に、STUKによる検証と承認を必要とする試験と検査を行い、試運転段階を完了させる予定だ。操業開始の詳細な日程は、現時点で示されていない。

(注1)使用済み核燃料を、相互に補完し合う複数の人工バリアと天然バリアによって、地下深くの岩盤で人や生活環境から隔離する施設。

(注2)使用済み核燃料に含まれるウラン(原子力発電の燃料となる元素)の重さで数えた量。

(佐藤遥香)

(フィンランド)

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