ジェトロ、インドネシアのAIエコシステムをテーマにセミナー開催

(インドネシア)

ジャカルタ発

2026年10月27日

ジェトロは9月4日、インドネシアのAI(人工知能)エコシステムをテーマとするオンラインセミナー「J-Bridgeセミナー:From AI Adoption to Collaboration -Bridging Indonesia Innovation and Japanese Industries-」を開催した(注1)。日系企業などから57人が参加した。

セミナー冒頭では、インドネシア通信・デジタル省が、同国のAI市場の概況やAI政策の方向性について説明した。同省によれば、AIがインドネシア経済にもたらす効果は最大で3,660億ドルとされており、今後、AI市場のさらなる拡大が見込まれている。一方、AIの導入に向けては、インフラの整備、倫理・ガバナンスの強化、AIリテラシーの向上、人材育成など、多くの課題があるとした。その上で、策定を進める国家AIロードマップやAI倫理ガイドライン、省庁・企業・団体・メディアなどが参画するAI調整タスクフォースを通じて、AI政策の推進と監視を行う構想を紹介した。

続いて、AIを活用した事業を展開するインドネシア企業3社が登壇し、各社の事業内容や日系企業との協業ニーズについて説明した。各社の概要は次のとおり(注2)。

  • ラベルウェア・テクノロジー・インドネシア(Ravelware Technology Indonesia):インドネシア発のディープテック企業で、工場の生産性向上に資する統合型スマート・オートメーション・プラットフォームを提供。廃プラスチックを原料とするグラフェンの生産や用途開発も手掛ける。
  • スパン・グローバル(SPUN Global):AIを活用したオンラインビザ申請プラットフォームを開発・提供するインドネシアのトラベルテック企業。旅行、就労、留学などの目的でインドネシアから海外へ渡航する旅行者と、インドネシアへ渡航する旅行者の双方にサービスを提供する。
  • ガニAI(GANI.AI):法令順守や規制対応を支援するAI搭載プラットフォームを提供する。
写真 セミナーの様子(ジェトロ撮影)

セミナーの様子(ジェトロ撮影)

インドネシア通信・デジタル省のAI・新興技術エコシステム担当副局長、ウィジャヤント氏はセミナー後にジェトロが行った取材に対し、インドネシアで事業を展開する企業は、すべての規制を確実に順守する必要があると述べた。また、AI関連事業への投資にあたっては、企業がインドネシアの国家AIロードマップやAI倫理ガイドラインに示された国家的価値観を反映した「Responsible AI(責任あるAI)」を実践するとともに、インドネシアにおけるAI導入の優先分野で自社のソリューションを提供することが求められるとした。さらに、優先分野を対象とすることで、企業は、規制基準を満たすだけでなく、インドネシア国民のニーズに応え、社会的にも意義のある成果をもたらすことができると述べた。

(注1)セミナー動画は、ジェトロの「J-Bridge」サイト上に掲載予定。

(注2)本イベントに登壇した企業3社の取り次ぎを希望する場合は、ジェトロ・ジャカルタ事務所(jktjetro@jetro.go.jp)へ連絡を。

(松本優希)

(インドネシア)

ビジネス短信 6f449bca5357e103