8月のインド保険市場、生保は団体保険が牽引、損保は医療・自動車保険が堅調

(インド)

ムンバイ発

2026年10月02日

ムンバイに本社を置く地場大手格付け会社Care Edge Ratingsは、インド保険市場の2026年度(2026年4月~2027年3月)8月業績を公表した(生命保険:9月9日、損害保険:9月18日)。

生保の新契約保険料(New Business Premium:NBP)は8月単月で4,119億7,800万ルピー(約7,003億6,260万円、1ルピー=約1.7円)、前年同月比33.1%増と大幅に拡大した。拡大の主因は団体保険(一時払い)の伸展で、国営大手ライフ・インシュランス・コーポレーション・オブ・インディア(LIC)が1,714億800万ルピー(71.9%増)と市場拡大を大きく牽引したことが挙げられる(添付資料表1参照)。背景には、機関投資家や法人による大型契約の増加に伴う資金流入の拡大があるとみられる。一方で、個人保険(分割払い)は全体で13.4%増と堅調に推移したものの、契約件数は前年同月から6.2%減少した。足元の業績拡大は、契約件数の増加よりも、1契約当たりの保険料が大きい高額商品の販売拡大による影響が大きいと考えられる。

損保の保険料収入総額(新規・更新の合計)は2,745億4,500万ルピーとなり、前年同月比10.0%増加した。商品別では医療・自動車保険が堅調だったのに加え、農業保険が327億3,900万ルピー(1.1%増)となり、前月の大幅減少(58.5%減)から改善した(添付資料表2参照)。これは、各州がカリフ(雨季)作物向け農業保険の加入期限を7月31日以降に延長したことで、本来7月に計上される予定だった保険料収入の一部が8月にずれ込んだためだ。

生保市場についてCare Edge Ratingsは、販売チャネルの拡充や保障性商品・貯蓄性商品および年金商品の需要拡大が今後も見込まれるとしている。一方で、足元の成長を牽引する団体保険(一時払い)は大型契約の影響を受けやすく、業績変動が大きい点をリスク要因として挙げている。また、銀行窓販(バンカシュアランス)を巡る規制変更や手数料体系の見直しが実施された場合、保険会社や銀行の販売戦略に影響を与え、市場成長が鈍化する可能性があると指摘している。

損保市場について、今後も医療保険や自動車保険が成長を牽引する見通しだが、自動車保険では保険料率の据え置きによる収益性低下、火災保険では価格競争の激化が懸念材料だと指摘する。また、農業保険についても市場縮小と競争激化が続く中、強固な個人顧客基盤、規律ある引受体制、販売商品の多様化を進める保険会社が今後優位になると指摘する。

(野本直樹)

(インド)

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