ジェトロ、「輸出管理強化への対応」セミナーを大連市で開催、輸出コンプライアンス上の留意点を解説
(中国、日本)
大連発
2026年10月13日
ジェトロは9月23日、中国の遼寧省大連市で「輸出管理強化への対応-法的リスクとコンプライアンス・ガバナンス構築-」をテーマとしたセミナーを開催した。近年、中国当局による輸出管理および税関検査が強化される中、レアアースや軍民両用(デュアルユース)品目に対する規制への関心の高まりを受けて実施したもので、製造業を中心に51社から68人が参加した。
北京大成(大連)法律事務所の劉通パートナー弁護士が講師を務めた。企業コンプライアンスや刑事弁護を専門とし、税関での勤務経験を持つ同氏は、実際の摘発事例を交え、輸出業務における主なリスク、行政処分と刑事責任の境界、調査対応の留意点、コンプライアンス体制の構築について解説した。
セミナーでは、輸出業務におけるリスクとして、HSコードによる品目分類の誤り、品名・数量・原産地などの申告不備、輸出価格の過少申告、原産地証明書の不正取得、輸出許可証の未取得などの事例が紹介された。劉弁護士は、こうした不備が行政処分の対象となる可能性があるほか、虚偽申告や規制回避を目的とする行為と判断された場合には、密輸犯罪として刑事責任を問われる可能性もあると説明した。
また、劉弁護士は、レアアース関連物資やデュアルユース品目の輸出に際して必要となる、輸出許可証の取得や最終用途・最終需要者の確認について解説した。輸出許可証の取得を怠った場合や虚偽申告を行った場合は、刑事事件に発展する可能性があると指摘した。さらに、企業と個人の法的責任の違いや、法人犯罪と個人犯罪の判断要素についても説明した。
対応策として、必要に応じて輸出許可証を保有する専門業者やサービス機関を活用し、適法な手続きを確実に履行することが重要だとした。問題発生時には、社内窓口の一本化、証拠の保全、専門家への早期相談が必要だと説明した。また、社内コンプライアンス体制の整備や部門間連携の強化を通じた継続的なリスク管理が不可欠だと強調した。
参加者からは、「レアアース関連事案を通じて、企業と個人それぞれの法的責任の違いを理解できた」「法令理解により、無意識の法律違反を防ぐ重要性を感じた」「日常の輸出実務に関連する法律や規定について理解を深めることができ、実務上の示唆が得られた」などの声が聞かれた。
(呉暁東)
(中国、日本)
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