戦時下で企業集積進む、キーウ州の産業パーク「ビラ・ツェルクバ」、運営会社に聞く

(ウクライナ)

キーウ発

2026年10月29日

ウクライナのキーウ州南部に位置する産業パーク「ビラ・ツェルクバ」は、首都キーウから約75キロ、車で約2時間の距離に位置する産業パーク。ウクライナ企業「UFUTURE」が手掛ける同産業パークは2016年に建設プロジェクトが開始され、現在の入居企業は20社を超え、うち約30%は外国企業だ。ジェトロは10月16日、同社のアンドリー・ロピツキー社長、オレクサンドル・プロチュク・ビジネス開発部長に、戦時下で企業集積進む「ビラ・ツェルクバ」について話を聞いた。

同産業パークは、第1フェーズ、第2フェーズを合わせて70ヘクタールを超える敷地を有する。入居企業には、フィンランドの建材メーカーや、ドイツの電子部品メーカー、ウクライナの宅配事業者のほか、英国、イタリア、ベトナムなどの企業が入居する。直近では2026年6月、ウクライナ北東部ハルキウの食品原料メーカーが1,500万ドル以上を投じ、新たな生産・物流施設を建設すると発表した。

ロシアによるウクライナ侵攻により、前線に近い地域から同工業団地に移転した企業も複数いる。ハルキウに生産拠点を有していたウクライナの香辛料メーカーは、2022年に同工業団地内に移転した。2014年からウクライナ北東部のスーミ州で操業していたイタリアの包装材メーカーは、戦況により同工業団地への工場移転を決め、2025年7月のウクライナ復興会議で同工業団地との契約が締結された。

「ビラ・ツェルクバ」は、クライアントが円滑かつ予測可能なタイムラインで拠点設立できるよう、ターン・キー方式による施設整備、労働人材の確保・育成支援、各種許認可の取得など包括的なサービスを提供する。また、既存設備の賃貸による迅速な入居や、クライアントと共同で産業パークをゼロから立ち上げることも可能という。

ロピツキー社長およびプロチュク・ビジネス開発部長は同社の産業パークについて、10年前の計画開始時は成功を疑う声もあったが、入居企業は続々と増加しており、現在は第3フェーズの建設計画を進めるほど発展していると語った。将来的には、ウクライナ国内に7~8カ所の産業パークを設立する意向だ。

写真 「ビラ・ツェルクバ」産業パークの様子(UFUTURE提供)

「ビラ・ツェルクバ」産業パークの様子(UFUTURE提供)

(柴田紗英)

(ウクライナ)

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