米新車販売、第3四半期は前年同期比1.0%減、HEV需要拡大が市場縮小を緩和
(米国)
ニューヨーク発
2026年10月07日
米国自動車データ分析会社のモーターインテリジェンスの発表(10月2日)によると、米国の2026年第3四半期(7~9月)の新車販売台数は、前年同期比1.0%減の410万5,473台だった(添付資料図1参照)。季節調整済み年率換算販売台数(SAAR)は9月時点で1,606万台と、前年同月(1,660万台)から減少した。
需要環境をみると、車両価格やガソリン価格の上昇に加え、依然として金利水準が高いため購入負担の重い状況が続いている。米自動車評価・調査会社ケリーブルーブック(KBB)によると、8月の新車平均取引価格は前年同月比1.9%増の5万89ドルとなり、2026年に入って初めて5万ドルを上回った。また米エネルギー情報局(EIA)によると、9月28日時点の全米平均レギュラーガソリン価格は1ガロン当たり4.465ドルと、前年同期比で1.347ドル上昇した。
しかしこうした中でも、市場は底堅さを維持しているとの見方が複数の市場関係者から示されている。米自動車情報サイト、エドマンズのインサイト部門責任者であるジェシカ・コールドウェル氏は、「高金利、ガソリン価格の高騰、生活費の増大など、消費者が購入をためらう要因は数多くあるが、新車市場が失速しているわけではない」と述べ、借り入れコストの影響をそれほど受けない高所得層が現在の市場を牽引していると分析した(オートモーティブニュース10月5日)。また、米自動車調査会社のコックスオートモーティブは、底堅い需要を見越し、2026年の米販売台数の予測を年初の1,580万台から1,610万台に引き上げた。同社シニアエコノミスト、チャーリー・チェスブロー氏は「高インフレや歴史的な低水準にある消費者信頼感も、予想されたほどには購入意欲をそぐ結果にはなっていない」と述べた(コックスオートモーティブ9月24日)。
販売台数を部門別にみると、乗用車が前年同期比0.2%増の70万6,014台、小型トラックが1.2%減の339万9,459台となった(添付資料表1参照)。乗用車では小型車が1.9%増、一方小型トラックでは、ミニバン・フルサイズバン、ピックアップトラックは好調だったものの、スポーツ用多目的車(SUV)が3.6%減となった。
動力別では、ハイブリッド車(HEV)が前年同期比27.1%増の65万4,969台と大幅に増加した。新車販売全体に占める割合も3.5ポイント増加して、16.0%となった(添付資料表2参照)。HEVの需要はこれまでも拡大基調であったが、足元のガソリン価格上昇がその流れに拍車をかけたとロイターなど複数のメディアが報道している(添付資料図2参照)。市場の縮小もHEV需要の拡大で一部緩和されたかたちだ。一方、バッテリー式電気自動車(BEV)は40.6%減の25万9,446台、プラグインハイブリッド車(PHEV)は33.5%減の5万1,028台となった。ガソリン車は0.7%増の313万9,941台だった。
主要メーカー別では、明暗が分かれた(添付資料表3参照)。GMは前年同期比5.4%減、フォードは6.6%減、ステランティスは0.2%減となった。フォードは3四半期連続での減少となる。一方、HEVに強みを持つアジア系メーカーが相対的に堅調で、トヨタは0.6%増、ホンダは9.3%増、現代は3.5%増、起亜は7.8%増とそれぞれ前年同期を上回った。
なお、日系メーカーが全HEV販売台数に占める割合は70.7%で、韓国系の21.1%と合わせると9割以上をアジア勢が占める。コックスオートモーティブは、消費者のHEVや乗用車へのシフトが続いていることを背景に、メーカー間の市場シェアの変化は年末まで続くとの見方を示している。
(大原典子)
(米国)
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