米政府とグーグル、メタなどが18億ドル投資、「仮想細胞」実現に向け大規模データ基盤整備へ

(米国)

サンフランシスコ発

2026年10月16日

米国のメタ(Meta)創業者で会長兼最高経営責任者(CEO)のマーク・ザッカーバーグ夫妻が設立した非営利研究機関のバイオハブ(Biohub、本社:カリフォルニア州レッドウッドシティー)は10月7日、薬剤や遺伝子改変などに対する細胞の反応を人工知能(AI)で予測するための大規模生物学データ基盤を構築する「バーチャル・バイオロジー・イニシアチブ(Virtual Biology Initiative、VBI)」を大幅に拡大することを発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

プロジェクトには米国エネルギー省(DOE)、米国立衛生研究所(NIH)のほか、アルファベット傘下のグーグル・ディープマインド(Google DeepMind)とアイソモーフィック・ラブズ(Isomorphic Labs)、メタ(Meta)、エヌビディア(NVIDIA)などが参加する。総額18億ドルの資金や計算資源(注)を投入し、将来的に細胞の反応を予測可能なAIモデル、いわゆる「仮想細胞(Virtual Cell)」の実現に向けて、細胞の反応や生体情報に関する大規模データを収集・標準化し、疾病の理解や治療効果の予測に役立つAIモデルの開発を目指す。これにより、研究コミュニティー向けのオープンな研究基盤リソースが生まれ、治療法の開発につながる基盤が提供される。

今回の発表は、2026年4月に公表した5億ドル規模のVBI構想を拡大するもの。DOEは今後5年間で5億ドル超を投じ、スーパーコンピュータや国立研究所の実験設備を活用したデータ取得や解析を支援する。NIHも過去の連邦投資で整備したデータベースや研究基盤を提供し、バイオハブがそれらをAI学習向けに標準化する。また、エヌビディアがAI計算基盤を支援するほか、グーグル・ディープマインドやメタがAIモデル開発に参画するなど、政府、研究機関、テック企業が連携して生命科学向けAIインフラの整備を進めている。生命科学分野では、アンソロピックが実験研究施設を設置しているほか、オープンAI財団も生物学・医療データ向け助成プログラムを開始するなど、AI企業による取り組みが広がっている。半導体やデータセンターなどの計算資源に加え、AI開発に不可欠な学習データ基盤に対しても投資が広がりつつある。

(注)AIなどのデジタル処理に必要なコンピュータの処理能力、ストレージ、ネットワークなどの基盤技術。

(芦崎暢)

(米国)

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