アルジェで水素パイプライン「SoutH2回廊」に関する第2回関係国閣僚会議が開催
(アルジェリア、チュニジア、ドイツ、イタリア、オーストリア、フランス)
パリ発
2026年10月13日
北アフリカで開発されたグリーン水素をイタリア、オーストリア、ドイツへ輸送するための国際パイプライン構想である「SoutH2回廊」プロジェクト(注)に関する第2回閣僚会合が、10月1日にアルジェリアのアルジェで開催された。第2回会合に出席したアルジェリア、チュニジア、ドイツ、イタリア、オーストリアの担当閣僚は、国連工業開発機関(UNIDO)の支援を受けて技術支援する事務局の設置を盛り込んだ第2回共同宣言に署名した。2025年1月にローマで行われた第1回会合では、関係5カ国(アルジェリア、チュニジア、ドイツ、イタリア、オーストリア)により同プロジェクトに関する政治的意思宣言が署名されていた。
イタリアのジルベルト・ピケット・フラティン環境・エネルギー安全保障相は、会合における演説で、「本プロジェクトを支持する今回の第2回共同宣言は、関係国の制度的支援をあらためて確認する非常に重要な一歩である」と述べた。また、チュニジアのスラフ・ズアリ暫定産業・鉱業・エネルギー相は、「エネルギー転換は、相互補完性、共同投資、バリューチェーンの発展を基盤とした北アフリカと欧州の間の新たなパートナーシップ構築のための戦略的な機会である」と同プロジェクトを位置付けた。
今回の第2回共同宣言では、SoutH2回廊構築に向けた重要なグリーン水素開発プロジェクトとして、2024年10月にドイツの天然ガス企業VNG、オーストリアのグリーン水素企業フェーブンド・グリーン・ヒドロゲン、イタリアの天然ガス輸送企業スナムとイタリア企業シーコリドール、アルジェリアの国営公社ソナトラックと国営電力公社ソネルガスの間で調印された国際共同プロジェクトALTEH2A(アルジェリア・欧州水素アライアンス)(2024年10月21日記事参照)が挙げられている。2025年11月には同プロジェクトの予備的な実現可能性調査(プレFS)が開始されている。一方、チュニジア側でも、南部で太陽光発電と陸上風力発電による再生可能電力を使用して、海水を淡水化するとともにグリーン水素を生産し、初期段階で年間20万トンを生産する「H2ノトス」が計画されている。このプロジェクトに向け、フランスのトタルエナジーズH2とオーストリア最大の電力会社フェアブントが2024年5月にチュニジア政府と覚書を締結しており(2024年5月31日記事参照)、同プロジェクトも現時点でプレFS段階となっている。
(注)SoutH2回廊(SoutH2 Corridor、予定ルート図は公式HP参照
)は、北アフリカ、イタリア、オーストリア、ドイツを結ぶ全長約3,300キロメートルの水素専用パイプライン回廊プロジェクト。65%以上が既存インフラの転用で構成され、グリーン水素輸入可能量を年間400万トンとし、2030年代初頭に稼働開始を目指す。同プロジェクトは、大量かつ競争力のあるグリーン水素の供給を通じて、アフリカと欧州双方の脱炭素化・エネルギー転換を促進し、気候目標の達成、経済・雇用創出、そしてアルジェリア・チュニジアとのエネルギー連携強化に貢献することを目的としている。
(渡辺智子)
(アルジェリア、チュニジア、ドイツ、イタリア、オーストリア、フランス)
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