ベネズエラ産アルミ、8年ぶりに米国へ輸出
(ベネズエラ、米国)
カラカス発
2026年10月08日
ベネズエラ国営アルミニウム会社ベナルム(CVG Venalum)は9月、米国向けに1万5,000トンを超える一次アルミニウムを輸出した。輸出されたアルミニウムの純度は99.5~99.7%で、ロンドン金属取引所(LME)の直近相場に基づく輸出額の推計は約5,000万ドルとされる。米国のダグ・バーガム内務長官は10月5日、ベネズエラ産アルミニウムを積載した貨物が米国ルイジアナ州のアボンデール港に到着したことを明らかにした。ベネズエラから米国へのアルミニウム輸出は、8,000トンが輸出された2018年以来、8年ぶりとなる。
輸出されたアルミニウムは、自動車向け輸送機器部品、航空宇宙・商業用の構造材、送電線や大容量ケーブル、通信機器、消費財などへの利用が見込まれている。今回の輸出には、資源商社マーキュリア・エナジー・グループと投資会社ヒーニー・キャピタルが関わったとされる。ブルームバーグの報道によると、両社はそれぞれベナルムと取引について協議している。また、スイス資源大手グレンコアもベネズエラでの事業再開を検討している、と報じられている。
今回の取引は、米国財務省外国資産管理局(OFAC)による個別のライセンスまたは許可に基づき実施された、と報じられている。ただし、ベネズエラに対する米国の制裁が全般的に解除されたものではなく、今回の取引を可能にするための個別措置とみられる。
バーガム内務長官は、ベネズエラが石油分野にとどまらず、鉱業、石炭、発電などの分野でも米国の戦略的パートナーとなる可能性があるとの見方を示した。また、ホワイトハウス国家エネルギー支配評議会のジャロッド・エージェン事務局長は、米国がベネズエラを原油の供給元としてだけでなく、鉱物や産業用原材料の供給元としても捉えていると述べた。
ベネズエラ政府は、今回の輸出を同国産アルミニウムの国際市場への復帰を示す動きと位置付けている。一方、今回の輸出量は米国市場全体の需要に比べれば限定的で、これだけでベネズエラのアルミニウム産業が本格的な回復に転じたとは言い難い。今回の輸出の意義は、数量そのものよりも、長期間途絶えていた米国向け取引が再び実現した点にあるとみられる。
ベナルムは、ベネズエラの基礎産業を管轄する国営企業ギアナ公社(CVG)と日本企業のコンソーシアムによって1970年代に設立された。年間生産能力は43万トンで、かつては中南米最大のアルミニウム製錬所だった。しかし、投資不足や慢性的な停電などにより生産設備が劣化し、現在の稼働水準は公称生産能力を大きく下回っているとされる。
(マガリ・ヨネクラ)
(ベネズエラ、米国)
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