世界銀行が2026年サブサハラ・アフリカ成長率予測を4.3%に上方修正
(アフリカ)
調査部中東アフリカ課
2026年10月07日
世界銀行は10月6日、アフリカ地域経済報告「Africa Economic Update
」を発表し、サブサハラ・アフリカの実質GDP成長率が2025年の4.1%から2026年には4.3%へ上昇すると予測した。4月時点の予測から0.3ポイント上方修正した。域内47カ国中35カ国で予測を引き上げた。商品市況を背景とする資源国の回復に加え、農業生産の持ち直し、内需拡大、投資環境改善に向けた構造改革が成長を支えているとした。堅調な世界貿易や、エネルギー転換、人工知能(AI)、デジタルインフラ向けの重要鉱物需要も輸出と投資を押し上げる見込みだ。
地域別では、東部・南部アフリカの2026年の成長率を4.1%と予測した。特に東アフリカ共同体(EAC)は6.2%と高い成長率を維持する見込みだ。西部・中部アフリカの成長率は4.5%と予測した。主要国の最新の成長率予測は次のとおり。
- アンゴラ:4.5%(4月時点予測:2.4%)
- エチオピア:9.2%(同8.0%)
- ケニア:4.6%(同4.4%)
- タンザニア:6.1%(同6.1%)
- コートジボワール:6.2%(同5.8%)
- ガーナ:4.8%(同4.8%)
- ナイジェリア:4.3%(同4.1%)
- コンゴ民主共和国:5.4%(同5.2%)
- モザンビーク:0.6%(同0.9%)
- ザンビア:5.6%(同4.4%)
- 南アフリカ共和国:1.0%(同1.0%)
世界銀行は下振れリスクとして、中東情勢の激化によるエネルギー・輸送費の上昇、資金調達環境の悪化、2026年末にかけて強まるエルニーニョによる干ばつ、開発援助の減少などを挙げた。インフレ率の中央値は、中東情勢に伴う燃料、肥料、食料価格の上昇を受け、2025年の3.7%から2026年には5.5%へ上昇する見通しだ。公的債務残高の中央値は2025年時点でGDP比57%となり、利払い負担がインフラ、教育、保健などへの支出余地を圧迫しているという。貧困率は2026年の47.8%から2027年に47.1%へ小幅に低下するにすぎないと予測した。
特集したAIについては、サブサハラ・アフリカの年間GDP成長率を最大約0.5ポイント高める可能性を示した。一方、域内では接続環境、電力、技能、データ、計算資源が不足し、AI関連活動はケニア、ナイジェリア、南アに集中している。世界銀行は、先端モデルの開発よりも、農業、教育、保健、行政など地域課題に対応した低コストのAI導入・活用を優先する必要があるとした(2026年7月27日記事参照)。
(波多野瞭平)
(アフリカ)
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