米シカゴで公共交通分野の展示会「APTA EXPO 2026」が開催
(米国)
シカゴ発
2026年10月15日
米国イリノイ州シカゴで10月4~7日、米国公共交通協会(APTA)が主催する「APTA TRANSform & EXPO 2026(以下、APTA EXPO)」が開催された。APTA EXPOは公共交通業界向けの展示会で、公共交通事業者、政府関係者、メーカーなどが参加した。
会場では、鉄道車両、バス、運賃収受システム、通信機器、運行管理システムなど、公共交通分野の製品やサービスが紹介されていた。日系企業では、日立製作所、川崎車両、三菱電機のほか、鉄道車両向けドアシステムのフジセメック、鉄道車両・バス向け樹脂材料のセキスイ・カイデックスや運賃収受システムのレシップなどが出展した。
また、サステナビリティーや脱炭素・低排出化に関連する展示が多く見られた。電気バスに加え、クリーンディーゼルバス(大気汚染物質の排出を低減したディーゼルバス)、バッテリー、充電インフラ関連企業も出展していた。また、運行管理システム、安全対策など、公共交通の高度化に向けたソリューションも紹介されていた。
出展企業からは、公共交通分野の電動化について、中国が大きく先行しており、日本や米国はまだ普及拡大の途上にあるとの声が聞かれた。車両本体だけでなく、充電インフラの整備や地域ごとに異なる運行条件への対応なども課題として挙げられていた。
公共バスは運行ルートや車庫が比較的固定されているほか、自治体や公共交通事業者による調達が中心で政策を反映しやすいことから、世界的に電動化が進む分野の1つとなっている。国際エネルギー機関(IEA)によると、中国では2025年、都市バス販売のほぼ100%が電気バスだった。中国政府は都市部の大気汚染対策や国内の電気自動車(EV)産業の育成を目的に、10年以上にわたり都市バスの電動化を推進してきた。また、EUでは2025年、都市バスの新規販売に占めるバッテリー式電気バスの割合は55%を超えた。
一方、米国の公共交通バスはディーゼル車が主流となっている。米国のエンジン業界団体エンジン・テクノロジー・フォーラムが調査会社S&Pグローバル・モビリティの車両データベース(TIPNet)を基にまとめた分析によると、2025年12月時点で米国の公共バス車両の76%がディーゼル車、9.9%が圧縮天然ガス(CNG)車、電気バスは8.6%だった。また、ディーゼル車のうち63%は2010年以降の排ガス規制に対応したクリーンディーゼル車だった。
なお、日本では、自動車検査登録情報協会の統計によると、2025年3月末時点の電気乗合車(バスなど)の保有台数は919台で、乗合車全体の1%未満にとどまる。
次回のAPTA TRANSform & EXPOは2029年10月、カリフォルニア州アナハイムで開催予定。
会場に展示されたバッテリー式電気バス(ジェトロ撮影)
会場に展示されたクリーンディーゼルバス(ジェトロ撮影)
EV充電ネットワーク企業の展示ブース(ジェトロ撮影)
(坂井愛子)
(米国)
ビジネス短信 22f8ae6e2f642c56





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