マレーシアとタイの中銀、シンガポール発デジタルマネー越境決済基盤構築に参画

(シンガポール、マレーシア、タイ)

シンガポール発

2026年10月26日

シンガポール金融管理局(MAS)は10月23日、マレーシア中央銀行(BNM)およびタイ中央銀行(BOT)が、デジタルマネーを活用した越境決済基盤の構築を目指す「BLOOM」に参画したと発表した。両中央銀行は政策当局メンバーとして、それぞれの国の金融機関や決済事業者などと連携し、デジタルマネーの越境利用に関する共通ルールや運用枠組みの策定を進める。

BLOOM(Borderless, Liquid, Open, Online, Multi-currency)は、MASが2025年10月に立ち上げた官民連携の枠組みで、MASは金融機関と連携し、トークン化(注1)された預金や適切な規制の下で発行・運用されるステーブルコイン(注2)を用いた決済を可能にするとともに、標準化された手法によってデジタル決済資産のリスク管理を図る。立ち上げ当初から、シンガポールのDBS、OCBC、UOB、米JPモルガンや英スタンダード・チャータードなどが参加していた。

今回の発表では、民間・国際機関メンバーも拡充された。新たな参加メンバーには、国際決済ブランド大手のビザとマスターカード、マレーシアの金融機関メイバンク、米ブロックチェーン企業のリップル、オーストラリアのフィンテック企業エアウォレックス、シンガポールの送金・決済事業者ニウム、シンガポールの電子決済事業者ショッピーペイ、マレーシアの電子決済事業者モニーが名を連ねた。各参加機関は、決済、資金管理(トレジャリー)、貿易金融などの分野におけるデジタルマネーの活用を推進する。

また、世界銀行グループも多国間開発銀行として参加し、決済システムの近代化や越境決済に関する国際的な知見を提供するとともに、開発途上国の視点やニーズを同枠組みに反映させる。

参加機関は今後、(1)デジタルマネーの越境受け入れ・決済、(2)異なる決済基盤間の相互運用性の確保、(3)本人確認や制裁リスト照合などのコンプライアンス機能の組み込み、の3分野で検討を進める計画だ。

(注1)トークン化とは、預金や債券などの資産をブロックチェーン上で移転・決済可能なトークン(デジタル証票)として表現すること。

(注2)ステーブルコインとは、米ドルやシンガポール・ドルなどの法定通貨の価値に連動するよう設計されたデジタル通貨(暗号資産)。

(広木拓)

(シンガポール、マレーシア、タイ)

ビジネス短信 1aa4a65d2e201546