2026/2027年度のインフレ率を9.0%に上方修正、ADB予測

(バングラデシュ)

ダッカ発

2026年10月06日

アジア開発銀行(ADB)は、9月23日発表の「アジア経済見通し」で、バングラデシュの2026/2027年度(2026年7月~2027年6月)のインフレ率予測を前回(2026年7月)の8.8%から9.0%へ引き上げた。これは政府目標の7.5%を大きく上回る水準であり、その結果、同国のインフレ率はアジア太平洋地域の途上国43カ国の中で4番目に高くなる見通しだ。

足元では、公務員向けの新給与体系の導入に加え、幅広いエネルギー関連コストの上昇を背景に、物価上昇圧力が再び強まっている。中東情勢の長期化に伴う世界的なエネルギー価格や海上運賃の高騰が輸入物価を押し上げているほか、国内でも慢性的なエネルギー不足が続いている。さらに政府は9月21日、輸送、農業、産業分野で広く用いられるディーゼル油を含む燃料価格を1リットル当たり一律20タカ(約26円、1タカ=約1.3円)(ディーゼル油で約17.4%)引き上げた。こうした動きはサプライチェーン全体のコスト上昇につながり、最終的に消費者物価へ波及する可能性がある。

他方、バングラデシュ銀行(中央銀行)の金融政策委員会は9月23日、国内外の経済ショックの影響を見極める必要があるとして、主要な政策金利を現行の9.5%に据え置くことを決定した。これに対し、世界銀行ダッカ事務所の元主任エコノミストであるザヒド・フセイン氏は、高金利を維持する一方で流動性支援を継続してきたこれまでの政策は、実質的に金融緩和として機能しており、金融引き締めの効果が十分に発揮されていないと指摘している(「デーリー・スター」紙9月24日付)。

さらにADBは、2026/2027年度の実質GDP成長率予測を前回の4.5%から4.0%へと下方修正した。金融セクターの不良債権問題や借り入れコストの上昇に伴う民間向け信用供与の縮小に加え、深刻なエネルギー不足や物流制約が投資回復の足かせとなっている。このため、工業部門の伸び率は3.3%にとどまる見通しだ。ADBは景気回復を確実なものにするため、金融セクター改革やエネルギー安全保障の強化、ビジネス環境の改善に向けた改革を加速するよう提言している。

(新居大介)

(バングラデシュ)

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