TOKYO PACK出展企業に聞く、PPWR対応で進むモノマテリアル化や再生材活用
(日本、EU)
調査部欧州課
2026年10月22日
TOKYO PACK 2026(東京国際包装展)
が10月14~16日、東京ビッグサイトで開催され、6万228人(うち海外から3,973人)が訪れた。2026年8月から順次適用が開始されたEU包装・包装廃棄物規則(PPWR)をテーマとしたシンポジウムやセミナーが多数開催されるなど、包装業界における欧州規制への関心の高さがうかがえた。会場ではリサイクル可能な設計、再生材利用、単一素材(モノマテリアル)包装など、循環経済への移行を意識した取り組みが数多く紹介された。
PPWRをパネルで紹介する企業ブース(ジェトロ撮影)
ジェトロがヒアリングを行った出展企業からは、PPWRへの対応に関する顧客からの問い合わせが増加しているとの声が聞かれた。特に、PFAS(有機フッ素化合物)の含有量に関する試験や、適合宣言書(DoC)に添付する技術文書の作成依頼など、2026年8月から順次適用が始まった要件への対応ニーズが高まっているという。
また、2030年以降に本格化するリサイクル可能な設計要件(注)への対応を見据え、モノマテリアル化の取り組みも進展している。出展した包装資材メーカーの担当者によると、従来の複合素材包装に代えてモノマテリアル包装への転換を検討する顧客が増えており、インキやコーティング剤などの仕様変更を伴う試験を共同で進めているという。
このほか、リサイクル工程を考慮した製品開発も進む。容易に剥離できるラベルや再資源化しやすい包装資材といった資源循環を意識した技術が紹介されるなど、サステナビリティーを意識した製品への需要が高まっている。一方で、欧州の規制動向はグローバル市場に影響を及ぼしているものの、対アジア、米国向けに欧州市場と同じ包装材を使用するには費用対効果が合わないという企業もある。
さらに、先行して規制対応を進めている欧州企業では、欧州で蓄積した知見や製品を、日本を含むグローバル市場に展開する動きもみられた。ただ、日本ではペットボトルの回収・リサイクル率が他国と比較して高いことから、環境面のみを理由とした切り替えには限界があり、最終的には顧客企業の事業戦略や市場ニーズが導入判断を左右するとの見方が示された。
会場では、PPWRへの対応が単なる規制順守の取り組みから、包装材の設計見直しや新素材・新技術の開発を促す契機となりつつあることがうかがえた。欧州向け輸出企業を中心に具体的な対応が進んでおり、規制順守と合わせて、環境対応を競争力の向上や新たな事業機会の創出につなげる動きが一層進むとみられる。
(注)PPWRでは2030年1月1日以降、市場に投入される包装はリサイクル可能であることが求められる。詳細は「EU包装・包装廃棄物規則(PPWR)関連情報」参照のこと。
(伊尾木智子)
(日本、EU)
ビジネス短信 1424311d7838ee56





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